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アンパサンド(&, )は、䞊立助詞「...ず...」を意味する蚘号である。ラテン語で「...ず...」を衚す接続詞 "et" の合字を起源ずする。珟代のフォントでも、Trebuchet MS など䞀郚のフォントでは、"et" の合字であるこずが容易にわかる字圢を䜿甚しおいる。
英語で教育を行う孊校でアルファベットを埩唱する堎合、その文字自䜓が単語ずなる文字("A", "I", か぀おは " も)に぀いおは、䌝統的にラテン語の "(それ自䜓)を甚いお "A per se A" のように唱えられおいた。たた、アルファベットの最埌に、27番目の文字のように "&" を加えるこずも広く行われおいた。"&" はラテン語で "et" ず読たれおいたが、のちに英語で "and" ず読たれるようになった。結果ずしお、アルファベットの埩唱の最埌は "X, Y, Z, "and per se and"" ずいう圢になった。この最埌のフレヌズが繰り返されるうちに "ampersand" ずなたっおいき、この蚀葉は1837幎たでには英語の䞀般的な語法ずなった。
アンドレ=マリ・アンペヌルがこの蚘号を自身の著䜜で䜿い、これが広く読たれたため、この蚘号が "AmpÚre's and" ず呌ばれるようになったずいう誀った語源俗説がある。
珟代のむタリック䜓のアンパサンドは、ルネサンス期に発展した筆蚘䜓での et の合字にさかのがる。1455幎のペヌロッパにおける印刷技術の発明以降、印刷業者はむタリック䜓ずロヌマ筆蚘䜓のアンパサンドの䞡方を倚甚するようになった。アンパサンドのルヌツはロヌマ時代にさかのがるため、ラテンアルファベットを䜿甚する倚くの蚀語でアンパサンドが䜿甚されるようになった。
アンパサンドはしばしばラテンアルファベットの最埌の文字ずされるこずがあった。たずえば1011幎のの文字衚がその䟋である。同様に、"&" は英語アルファベットの27番目の文字ずされ、アメリカ合衆囜やその他の地域でも、子䟛達はアンパサンドはアルファベットの最埌の文字だず教えられおいた。1863幎の M. B. Moore の著曞 "The Dixie Primer, for the Little Folks" にその䞀䟋を芋るこずができる。ゞョヌゞ・゚リオットは、1859幎に発衚した小説「」の䞭で、Jacob Storey に次のセリフを語らせおいる。"He thought it [Z] had only been put to finish off th' alphabet like; though ampusand would ha' done as well, for what he could see." よく知られた童謡の は "X, Y, Z, and ampersand, All wished for a piece in hand" ずいう歌詞で締めくくられる。
アンパサンドは、ティロ匏蚘号の et ("⁊", Unicode U+204A) ずは別のものである。ティロ匏蚘号の et は、アンパサンドず意味は同じだが数字の「7」に䌌た圢の蚘号である。䞡者はずもに叀代から䜿甚され、䞭䞖を通しおラテン語の "et" を衚すために䜿甚された。しかし、アンパサンドずティロ匏蚘号の et はそれぞれ独立に発明されたものである。ラテン文字から発展した叀アむルランド語の文字では、アむルランド語の "agus"(「...ず...」)を衚すためにティロ匏蚘号の et が䜿甚されおいた。今日はゲヌル文字の䞀郚ずしお䞻に装食的な目的で䜿甚されおいる。この文字はアむルランドにおけるキリスト教時代初期に修道院の圱響によっお曞き文字に加わった可胜性がある。
日垞的な手曞きの堎合、欧米では小文字の (゚プシロン)を倧きくしたもの(あるいは数字の "3" の鏡文字)に瞊線を加えた圢の単玔化されたアンパサンドがしばしば䜿われる。たた、゚プシロンの䞊䞋に瞊線たたは点を付けたものもしばしば䜿われる。
くだけた甚法ずしお、プラス蚘号("+", この蚘号もたた et の合字である)がアンパサンドの代わりに䜿われるこずがある。たた、プラス蚘号に茪を重ねたような、無声歯茎偎面摩擊音を瀺す発音蚘号「」のようなものが䜿われるこずもある。
ティロの速蚘には「et」を衚すための「」(U+204A Tironian sign et)がある。この文字はドむツのフラクトゥヌルで䜿われたほか、ゲヌル文字でも䜿甚される。
ギリシア文字では「......ず」を意味するを衚すための合字ずしお「」(U+03D7 Greek kai symbol)が䜿われるこずがある。
プログラミング蚀語では、C など倚数の蚀語で AND 挔算子ずしお甚いられる。以䞋は C の䟋。
PHPでは、倉数宣蚀蚘号($)の盎前に蚘述するこずで、参照枡しを行うこずができる。
SGML、XML、HTMLでは、アンパサンドを䜿っおSGML実䜓を参照する。
蚀語(げんご)は、狭矩には「声による蚘号の䜓系」をいう。
広蟞苑や倧蟞泉には次のように解説されおいる。
『日本倧癟科党曞』では、「蚀語」ずいう語は倚矩である、ず解説され、倧脳のに蓄えられた《語圙ず文法芏則の䜓系》を指すこずもあり、その䜓系を甚いる胜力ずしおずらえるこずもある、ず解説され、䞀方では、抜象的に「すべおの人間が共有する蚀語胜力」を指すこずもあり、「個々の個別蚀語」を指すこずもある、ず解説されおいる。
広矩の蚀語には、verbalな(蚀葉に衚す)ものずnon-verbalな(蚀葉ずしお衚されない)もの(各皮蚘号、アむコン、図圢、ボディヌランゲヌゞ等)の䞡方を含み、日垞のコミュニケヌションでは狭矩の蚀語衚珟に身振り、手振り、図瀺、擬音等も加えお衚珟されるこずもある。
蚀語は、人間が甚いる意志䌝達手段であり、瀟䌚集団内で圢成習埗され、意志を盞互に䌝達するこずや、抜象的な思考を可胜にし、結果ずしお人間の瀟䌚的掻動や文化的掻動を支えおいる。蚀語には、文化の特城が織り蟌たれおおり、共同䜓で甚いられおいる蚀語の習埗をするこずによっお、その共同䜓での瀟䌚的孊習、および人栌の圢成をしおいくこずになる。
゜シュヌルの研究が、蚀語孊の発展の䞊で非垞に重芁な圹割を果たしたわけであるが、゜シュヌル以降は、「共同䜓の甚いる蚀語䜓系」のこずは「langue ラング」ず呌ばれ、それに察しお、個々の人が行う蚀語掻動は「parole パロヌル」ずいう甚語で呌ばれるようになっおいる。
《音韻》 ず 《意味》の間の結び付け方、たた、《文字》ず音韻・圢態玠・単語ずの間の結び付け方は、瀟䌚的に䜜られおいる習慣である。
蚀語ず非蚀語の境界が問題になるが、文字を䜿う方法ず文字を甚いない方法の区別のみで、蚀語衚珟を非蚀語衚珟から区別するこずはできない。抜象蚘号には文字衚珟ず非文字衚珟(積分蚘号やト音蚘号など)があり、文字衚珟は蚀語衚珟ず文字蚘号に分けられる。蚀語衚珟ず区別される文字蚘号ずは、文字を䜿っおいるが語(word)でないものをいい、化孊匏H2Oなどがその䟋である。化孊匏は自然蚀語の文法が䜜甚しおおらず、化孊匏独特の文法で構成されおいる。
蚀語にはさたざたな分類がある。口語、口頭蚀語、曞蚘蚀語、文語、ずいった分類があるが、重なる郚分もありはっきり分類できるものでもない。たた屈折語・膠着語・孀立語ずいったような分類もある。詳现は蚀語類型論を参照。
蚀語的衚珟は読み䞊げによっお音声衚珟、点字化により觊芚衚珟に倉換されるが、蚀語的衚珟の特性は保存され、芖芚的に衚珟されたものず同等に取り扱うこずができる。
手話に関しおは「日本語察応手話」は䞀般の日本語の話し蚀葉や曞き蚀葉ず同䞀の蚀語の「芖芚蚀語バヌゞョン」であるが、「日本手話」は䞀般の日本語ずは異なる蚀語ず考えられおおり、そちらは音声蚀語や文字蚀語ずは異なる「芖芚蚀語」ずいうこずになるなど、分類は単玔ではない。
以䞊の自然発生的な「自然」蚀語の他、近代以降、゚スペラントなどの囜際補助語など、人工蚀語も䜜られた。
自然蚀語以倖に぀いおは、人工蚀語・圢匏蚀語・コンピュヌタ蚀語などの各蚘事を参照。
個別蚀語は、民族の滅亡や他蚀語による吞収によっお䜿甚されなくなるこずがある。このような蚀語は死語ず呌ばれ、死語が再び母語ずしお䜿甚されたこずは歎史䞊にただ䞀䟋、ヘブラむ語の䟋しかない。しかし、ヘブラむ語は自然に埩掻したわけでも完党に消滅しおいたわけでもなく、文章語ずしお存続しおいた蚀語を、パレスチナに移䜏したナダダ人たちが20䞖玀に入っお日垞語ずしお人工的に埩掻させ、むスラ゚ル建囜ずずもに公甚語に指定しお完党に再生させたものである。このほかにも、叀兞アラビア語、ラテン語、叀兞ギリシャ語のように、日垞語ずしおは消滅しおいるものの文章語ずしおは存続しおいる蚀語も存圚する。このほか、日垞ではもはや甚いられず、教兞や宗教行為のみに甚いられるようになった兞瀌蚀語も存圚する。
近幎、話者数が非垞に少ない蚀語が他蚀語に飲み蟌たれお消滅し、新たに死語ず化すこずが問題芖されるようになり、消滅の危機にある蚀語を危機蚀語ず呌ぶようになった。これは、䞖界の䞀䜓化が進み、亀通網の敎備や流通の迅速化、ラゞオ・テレビずいったマスメディアの発達によっおそれたで孀立を保っおいた小さな蚀語がそのコミュニティを維持できなくなるために起こるず考えられおいる。より倧きな芖点では英語の囜際語ずしおの勢力䌞匵による他䞻芁蚀語の勢力瞮小、いわゆる英語垝囜䞻矩もこれに含たれるずいえるが、すくなくずも21䞖玀初頭においおは英語を母語ずする民族が倚数掟を占める囜家を陀いおは英語のグロヌバル化が蚀語の危機に盎結しおいるわけではない。蚀語消滅は、隣接したより倧きな蚀語集団ずの亀流が䞍可欠ずなり、その蚀語圏に小蚀語集団が取り蟌たれるこずによっお起きる。こうした動きは人的亀流や文化的亀流が盛んな先進囜内においおより顕著であり、北アメリカやオヌストラリアなどで蚀語消滅が急速に進み、経枈成長ず蚀語消滅ずの間には有意な盞関があるずの研究も存圚する。その他の地域においおも蚀語消滅が進んでおり、2010幎にはむンド領のアンダマン諞島においお蚀語が䞀぀消滅し、他にも同地域においお消滅の危機にある蚀語が存圚するずの譊告が発せられた。
䞖界に存圚する自然蚀語の䞀芧は蚀語の䞀芧を参照
なお、蚀語が生たれたのが地球䞊の䞀ヶ所なのか、耇数ヶ所なのかも分かっおいない。
生物孊的な芳点から蚀語の起源を探ろうずいう詊みもある。最近の分子生物孊的研究によれば、FOXP2ず名づけられおいる遺䌝子に生じたある皮の倉異が蚀語胜力の獲埗に぀ながった可胜性がある。さらにその倉異は珟生人類ずネアンデルタヌル人が分化する以前の30-40䞇幎前にはすでに生じおいたずの解析結果が発衚されおおり、珟生人類が登堎ずずもに既に蚀語を身に぀けおいた可胜性も考えられる。しかしFOXP2は蚀語胜力を有しない他の動物の倚くが持っおいるこず、FOXP2の倉異が蚀語胜力の獲埗の必芁条件であるずの盎接的な蚌明はただなされおいないこずなどに留意する必芁がある。
生物の堎合には、進化が止たった生物が珟圚も生き残っおいる「生きおいる化石」ず呌ばれるものがある。たた、䞀芋䌌おいる2皮類が党然別の皮類から進化しおいたずいうケヌスもある。蚀語にも同じような珟象が起きおおり、その倉化の速床は䞀定ではなく、䟵略・亀易・移動等他民族ずの接觊が倚ければ、その時蚀語も倧きく倉化する。代衚䟋ずしお英語、フランス語、ルヌマニア語、アルバニア語、アルメニア語等がある。逆に接觊が少ないずほずんど倉化しなくなる。代衚䟋ずしおドむツ語、アむスランド語、ギリシャ語、スラノ語掟、バルト語掟、サンスクリット語等があり、特にアむスランド語は基本文法が1000幎前ずほずんど倉っおいない。
蚀語はもずもずいく぀かの祖語から分化したず考えられおおり、同䞀の祖語から発生したグルヌプを語族ず呌ぶ。語族はさらに語掟、語矀、そしお蚀語ず现分化されおいく。䞖界の倧倚数の蚀語はなんらかの語族に属するが、なかには珟存する他の蚀語ず系統関係が立蚌されおおらず、語族に分類できない孀立した蚀語も存圚する。たた、地理・文化的に近接する異なった系統の蚀語が盞互に圱響しあい顕著に類䌌する事䟋も芋られ、これは蚀語連合ず呌ばれる。
同䞀語族に属する蚀語矀の堎合、共通語圙から蚀語の分化した幎代を割り出す方法も考案されおいる。
䞀぀の蚀語の蚀語史を䜜る堎合、単語・綎り・発音・文法等から叀代・䞭䞖・近代ず3分割し、䟋えば「䞭䞖フランス語」等ず呌ぶ。
ある蚀語ず他の蚀語が接觊した堎合、䞡蚀語の話者の亀流が深たるに぀れお様々な倉化が発生する。これを蚀語接觊ずいう。蚀語接觊によっお、䞡蚀語には盞手の蚀語から語圙を借甚した借甚語が発生するほか、亀流が深たるに぀れお商業や生掻䞊の必芁から混成蚀語が発生するこずがある。この混成蚀語は、初期にはピゞン蚀語ず呌ばれる非垞に簡略化された圢をずるが、やがお語圙が増え蚀語ずしお成長しおくるず、『クレオヌル蚀語ずいう「新しい蚀語」ずなった』ず芋なす。クレオヌル蚀語はピゞン蚀語ず比べ語圙も倚く、䜕よりきちんず䜓系だった文法が存圚しおおり、「䞀個の独立した蚀語」ず芋なしお党く差し支えない。クレオヌル蚀語はピゞン蚀語ず違い、母語話者が存圚する、぀たり幌いころから䞻にその蚀語を話しお育った人々がいる、ずいうこずも特城である。
䞭䞖の䞖界においおはしばしば、文語ず日垞䜿甚する蚀語ずの間には隔たりがみられ、なかには䞭䞖ペヌロッパにおけるラテン語のようにその土地の蚀葉ず党く異なる蚀語を文章語ずしお採甚しおいる䞖界も存圚した。ラテン語は欧州においお知識人の間の共通語ずしお甚いられ、ルネサンスなどで倧きな圹割を果たしたが、やがお印刷術の発展や宗教改革などによっお各囜においお䜿甚される日垞蚀語が文語ずしお甚いられるようになった。この際、それたで方蚀の連続䜓しか持たなかった各囜においお、その蚀語を筆蚘する暙準的な衚蚘法が定たっおいき、各囜においお囜内共通語ずしおの暙準語が制定されるようになった。これは出版物などによっお埐々に定たっおいくものもあれば、䞭倮に公的な蚀語統制機関を眮いお囜家䞻導で暙準語を制定するものもあったが、いずれにせよこうした蚀語の敎備ず囜内共通語の成立は、囜民囜家を成立させるうえでの重芁なピヌスずなっおいった。䞀方で、暙準語の制定は方蚀連続䜓のその他の蚀語を方蚀ずするこずになり、蚀語内での序列を぀けるこずに぀ながった。
最も新しい蚀語であり、たた誕生する瞬間がずらえられた蚀語ずしおは、ニカラグアの子䟛達の間で1970幎代埌半に発生した「ニカラグア手話」がある。これは、蚀語胜力は人間に生埗のものであるずいう考えを裏付けるものずなった。
珟圚䞖界に存圚する蚀語の数は千数癟ずも数千ずも蚀われる。1939幎にアメリカのルむス・ハヌバヌト・グレむ()は著曞 "Foundations of Language" においお「2796蚀語」ず唱え、1979幎にドむツのマむダヌが4200から5600蚀語ず唱えおおり、䞉省堂の『蚀語孊倧蟞兞』「䞖界蚀語線」では8000超の蚀語を扱っおいる。
しかし、正確に数えるこずはほが䞍可胜である。これは、未発芋の蚀語や、消滅し぀぀ある蚀語があるためだけではなく、原理的な困難があるためでもある。䌌おいるが同じではない「蚀語」が隣り合っお存圚しおいるずき、それは䞀぀の蚀語なのか別の蚀語なのか区別するこずは難しい。これはある人間集団を「蚀語の話者」ずするか「方蚀の話者」ずするかの問題でもある。たずえば、旧ナヌゎスラビアに属しおいたセルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゎビナ、モンテネグロの4地域の蚀語は非垞に䌌通ったものであり、孊術的には方蚀連続䜓であるセルビア・クロアチア語ずしお扱われる。たた旧ナヌゎスラビアの政治䞊においおも囜家統䞀の芳点䞊、これらの蚀語は同䞀蚀語ずしお扱われおいた。しかし1991幎からのナヌゎスラビア玛争によっおナヌゎスラビアが厩壊するず、独立した各囜は各地方の方蚀をそれぞれ独立蚀語ずしお扱うようになり、セルビア語、クロアチア語、ボスニア語の䞉蚀語に政治的に分けられるようになった。さらに2006幎にモンテネグロがセルビア・モンテネグロから独立するず、モンテネグロ語がセルビア語からさらに分けられるようになった。こうした、明確な暙準語を持たず耇数の蚀語䞭心を持぀蚀語のこずを耇数䞭心地蚀語ず呌び、英語などもこれに含たれる。
逆に、䞭囜においおは北京語やそれを元に成立した普通話ず、䞊海語や広東語ずいった遠隔地の蚀語ずは差異が倧きく䌚話が成立しないほどであるが、曞き蚀葉は共通であり、たたあくたでも䞭囜語矀には属しおいお察応関係が明確であるため、これら蚀語はすべお䞭囜語内の方蚀ずしお扱われおいる。
同じ蚀語かどうかを刀定する基準ずしお、盞互理解性を提唱する考えがある。話者が盞手の蚀うこずを理解できる堎合には、同䞀蚀語、理解できない堎合には別蚀語ずする。盞互理解性は蚀語間の距離を䌝える重芁な情報であるが、これによっお䞀぀の蚀語の範囲を確定しようずするず、技術的難しさにずどたらない困難に盎面する。䞀぀は、Aの蚀うこずをBが聞き取れおも、Bの蚀うこずをAが聞き取れないような蚀語差があるこずである。もう䞀぀は、同系列の蚀語が地理的な広がりの䞭で埐々に倉化しおいる堎合に、どこで、いく぀に分割すべきなのか、あるいはたったく分割すべきでないのかを決められないこずである。
こうした困難に際しおも、単䞀の基準を決めお分類しおいくこずは、理屈の䞊では可胜である。しかしあえお単䞀基準を抌し通す蚀語孊者は珟実にはいない。ある集団を「蚀語話者」ずするか「方蚀話者」ずするかには、政治的・文化的アむデンティティの問題が深く関係しおいる。どのような基準を蚭けようず、ある地域で倚くの賛成を埗られる分類基準は、別の地域で匷い反発を受けるこずになる。そうした反発は誀りだず蚀うための論拠を蚀語孊はもっおいないので、結局は慣習に埓っお、地域ごずに異なる基準を甚いお分類するこずになる。
蚀語ず方蚀の区別に぀いお、珟圚なされる説明は二぀である。第䞀は、蚀語ず方蚀の区別にはなんら蚀語孊的意味はないずする。第二のものはたず、どの方蚀もそれぞれ蚀語だずする。その䞊で、ある暙準語に察しお非暙準語の関係にある同系蚀語を、方蚀ずする。暙準語の遞定は政治によるから、これもたた「蚀語ず方蚀の区別に蚀語孊的意味はない」ずする点で、第䞀ず同じである。この定矩では、蚀語を秀にかけお刀定しおいるのではなく、人々がその蚀語をどう思っおいるかを秀にかけおいるのである。
ある蚀語同士が独立の蚀語同士なのか、同じ蚀語の方蚀同士なのかの刀定は非垞に恣意的であるが、その䞀方で、明確に系統関係が異なる蚀語同士は、たずえ共通の集団で話されおいおも、方蚀同士ずはみなされないずいう事実も有る。たずえば、䞭囜甘粛省に䜏む少数民族ナヌグ族は西郚に䜏むものはテュルク系の蚀語を母語ずし、東郚に䜏むものはモンゎル系の蚀語を母語ずしおいる。䞡者は同じ民族だずいう意識があるが、その蚀語は方蚀同士ではなく、西郚ナヌグ語、東郚ナヌグ語ず別々の蚀語ずしお扱われる。たた海南島にすむ臚高人も民族籍䞊は挢民族であるが、その蚀語は挢語の方蚀ずしおは扱われず、系統どおりタむ・カダむ語族の臚高語ずしお扱われる。
䜿甚する文字は同蚀語かどうかの刀断基準ずしおはあたり甚いられない。蚀語は基本的にどの文字でも衚蚘可胜なものであり、ある蚀語が䜿甚する文字を倉曎するこずや二皮以䞊の文字を䜵甚するこずは珍しいこずではなく、たた文法などに文字はさほど圱響を䞎えないためである。デヌノァナヌガリヌ文字を甚いるむンドの公甚語であるヒンディヌ語ずりルドゥヌ文字を甚いるパキスタンの公甚語であるりルドゥヌ語は、ヒンドゥスタヌニヌ語ずしお同䞀蚀語たたは方蚀連続䜓ずしお扱われるこずがある。
䞋衚の母語話者数および分類は、『゚スノロヌグ第21版』に準拠する。同資料は2021幎時点の掚蚈で、䞭囜語は13方蚀、アラビア語は20方蚀、ラフンダヌ語は4方蚀の合蚈である。
䞊図の通り、最も母語話者の倚い蚀語は䞭囜語であるが、公甚語ずしおいる囜家は䞭華人民共和囜ず䞭華民囜、それにシンガポヌルの3぀の囜家にすぎず、䞖界においお広く䜿甚されおいる蚀語ずいうわけではない。たた、共通語である普通話を含め, 13個の方蚀が存圚する。
䞊蚘の資料で話者数2䜍の蚀語はスペむン語である。これはペヌロッパ倧陞のスペむンを発祥ずする蚀語であるが、17䞖玀のスペむンによる新倧陞の怍民地化を経お、南アメリカおよび北アメリカ南郚における広倧な蚀語圏を獲埗した。2021幎床においおスペむン語を公甚語ずする囜々は21カ囜にのがる。さらにほが同系統の蚀語である5䜍のポルトガル語圏を合わせた新倧陞の領域はラテンアメリカず呌ばれ、広倧な共通蚀語圏を圢成しおいる。
䞊蚘の資料で英語の話者人口は4䜍だが、公甚語ずしおは55か囜ず最も倚くの囜で話されおいる。さらに、英語はアメリカ合衆囜やむギリスの公甚語であるため䞖界で広く重芁芖されおいる。䞖界の䞀䜓化に䌎い研究やビゞネスなども英語で行われる堎面が増え、非英語圏どうしの䜏民の亀枉においおも共通語ずしお英語を䜿甚する堎合があるなど、英語の䞖界共通語ずしおの圱響力は増倧しおいく傟向にある。
英語に次ぐ囜際語ずしおは、17䞖玀から19䞖玀たで西掋で最も有力な囜際語であったフランス語が挙げられる。フランス語の話者は2億3000䞇人ずトップ5にも入らないが、フランス語を公甚語ずする囜々はアフリカの旧フランス怍民地を䞭心に29カ囜にのがる。
囜連の公甚語は、英語、フランス語、ロシア語、䞭囜語、スペむン語、アラビア語の6぀であるが、これは安党保障理事䌚の垞任理事囜の蚀語に、広倧な共通蚀語圏を持぀スペむン語ずアラビア語を加えたものである。
蚀語は囜家を成立させるうえでの重芁な芁玠であり、カナダにおける英語ずフランス語や、ベルギヌにおけるオランダ語ずフランス語のように、異なる蚀語間の察立がしばしば蚀語戊争ず呌ばれるほどに激化しお独立問題に発展し、囜家に倧きな圱響を及がすこずも珍しくない。東パキスタンのように、西パキスタンの蚀語であるりルドゥヌ語の公甚語化に反発しおベンガル語を同栌の囜語ずするこずを求めたこずから独立運動が起き、最終的にバングラデシュずしお独立したような䟋もある。
こうした堎合、蚀語圏別に倧きな自治暩を䞎えたり、囜家の公甚語を耇数制定したりするこずなどによっお少数掟蚀語話者の䞍満をなだめる政策はよく甚いられる。蚀語圏に匷い自治暩を䞎える兞型䟋はベルギヌで、同囜では1970幎に蚀語共同䜓が蚭立され、数床の倉曎を経おフラマン語共同䜓、フランス語共同䜓、ドむツ語共同䜓の3぀の蚀語共同䜓の䜵存する連邊囜家ずなった。公甚語を耇数制定する䟋ではスむスが兞型的であり、それたでドむツ語のみであった公甚語が1848幎の憲法によっおドむツ語・フランス語・むタリア語の䞉公甚語制ずなり、さらに1938幎にはロマンシュ語が囜語ずされた。この傟向が特に匷いのはむンドであり、1956幎以降それたでの地理的な区分から同系統の蚀語を甚いる地域ぞず州を再線する、いわゆる「蚀語州」政策を取っおいる。
囜家における蚀語の構造は、公甚語-共通語-民族語(郚族語、方蚀)の䞉局の構造からなっおいる。もっずも、公甚語ず共通語、たた䞉局すべおが同じ蚀語である堎合はその分だけ局の数は枛少する。
日本を䟋にずれば、各地方ではその地方の方蚀を䜿っおいる。぀たり、同じ地方のコミュニティ内で通甚する蚀語を䜿甚しおいる。これが他地方から来た人を盞手にする堎合ずなるず、いわゆる暙準語を䜿甚するこずずなる。日本では他に有力な蚀語集団が存圚しないため、政府関係の文曞にも日本暙準語がそのたた䜿甚される。぀たり、共通語ず公甚語が同䞀であるため、公甚語-方蚀の二局構造ずなっおいる。
公甚語ず共通語は分離しおいない囜家も倚いが、アフリカ倧陞の諞囜家においおはこの䞉局構造が明確にあらわれおいる。これらの囜においおは、政府関係の公甚語は旧宗䞻囜の蚀語が䜿甚されおいる。孊校教育もこの蚀語で行われるが、民族語ずかけ離れた存圚であるこずもあり囜民の䞭で䜿甚できる局はさほど倚くない。この穎を埋めるために、各地域においおは共通語が話されおいる。銖郜がある地域の共通語が匷倧化し、囜の倧郚分を芆うようになるこずも珍しくない。しかし文法の敎備などの遅れや、囜内他蚀語話者の反察、公甚語の䜿甚胜力が゚リヌト局の暩力の源泉ずなっおいるなどの事情によっお、共通語が公甚語化はされないこずがほずんどである。その䞋に各民族の民族語が存圚する。
蚀語機胜は基本的にヒトに固有のものであるため、蚀語の研究には少数の䟋倖を陀き動物モデルを䜜りにくい。そのため、脳梗塞などで脳の局所が砎壊された症䟋での研究や、被隓者に2぀の単語を呈瀺しその干枉効果を研究するなどの心理孊的研究が䞻になされおきたが、1980幎代埌半より脳機胜むメヌゞング研究が手法に加わり、被隓者がさたざたな蚀語課題を行っおいるずきの脳掻動を芖芚化できるようになった。
ほずんどの右利きの人では、単語、文法、語圙などの䞻芁な蚀語機胜は巊半球優䜍である。しかし声の抑揚(プロ゜ディ)の把握、比喩の理解に぀いおは右半球優䜍であるず蚀われおいる。
文字の認識には巊玡錘状回、䞭・䞋埌頭回が関䞎するが、挢字(衚意文字)ずひらがな(衚音文字)で掻動する郚䜍が異なるず蚀われおいる。
これも倚方面から研究されおいる。個人の蚀語胜力は、読字障害、りィリアムズ症候矀、自閉症などのように党䜓的な知的胜力ずは乖離するこずがあり、個䜓発生やヒトの進化における蚀語の起源などにヒントを䞎えおいる。たた、ヒトは環境の䞭で聎取する音声から自力で文法などの芏則を芋出し孊習する機胜を生埗的に備えおいるため、特に教わらなくおも蚀語を孊習できるずする生埗論ずいう考えも存圚する。
最近の近赀倖線分光法を甚いた研究においお、生埌2から5日の新生児が逆再生よりも順再生の声を聞いたほうが、あるいは倖囜語より母囜語を聞いたずきの方が聎芚皮質の血流増加が倧きかったず報告されおおり、出産前から母䜓内で蚀語を聎いおいるこずが瀺唆される。
日本語(にほんご、にっぜんご)は、日本囜内や、か぀おの日本領だった囜、そしお囜倖移民や移䜏者を含む日本人同士の間で䜿甚されおいる蚀語。日本は法什によっお公甚語を芏定しおいないが、法什その他の公甚文は党お日本語で蚘述され、各皮法什においお日本語を甚いるこずが芏定され、孊校教育においおは「囜語」の教科ずしお孊習を行うなど、事実䞊日本囜内においお唯䞀の公甚語ずなっおいる。
䜿甚人口に぀いお正確な統蚈はないが、日本囜内の人口、及び日本囜倖に䜏む日本人や日系人、日本がか぀お統治した地域の䞀郚䜏民など、玄1億3,000䞇人以䞊ず考えられおいる。統蚈によっお前埌する堎合もあるが、この数は䞖界の母語話者数で䞊䜍10䜍以内に入る人数である。
たた第䞀次䞖界倧戊埌(日独戊争)、圓時ドむツ垝囜の怍民地であった珟圚のパラオ共和囜は戊勝囜の日本に委任統治(南掋諞島を参照)されるこずずなったため、珟圚も䞀郚地域で日本語を公甚語ず定めおいる。
日本語の音韻は、「っ」「ん」を陀いお母音で終わる開音節蚀語の性栌が匷く、たた暙準語(共通語)を含め倚くの方蚀がモヌラを持぀。アクセントは高䜎アクセントである。
などの特城があった(「系統」および「音韻」の節参照)。
文は、「䞻語・修食語・述語」の語順で構成される。修食語は被修食語の前に䜍眮する。たた、名詞の栌を瀺すためには、語順や語尟を倉化させるのでなく、文法的な機胜を瀺す機胜語(助詞)を埌ろに付け加える(膠着させる)。これらのこずから、蚀語類型論䞊は、語順の点ではSOV型の蚀語に、圢態の点では膠着語に分類される(「文法」の節参照)。
語圙は、叀来の倧和蚀葉(和語)のほか、挢語(字音語)、倖来語、および、それらの混ざった混皮語に分けられる。字音語(挢字の音読みに由来する語の意、䞀般に「挢語」ず称する)は珟代の語圙の䞀郚分を占めおいる。たた、「絵/画(ゑ)」など、もずもず音であるが和語ず認識されおいるものもある。さらに近代以降には西掋由来の語を䞭心ずする倖来語が増倧しおいる(「語皮」の節参照)。
埅遇衚珟の面では、文法的・語圙的に発達した敬語䜓系があり、叙述される人物どうしの埮劙な関係を衚珟する(「埅遇衚珟」の節参照)。
日本語は地方ごずに倚様な方蚀があり、ずりわけ琉球諞島で方蚀差が著しい(「方蚀」の節参照)。近䞖䞭期たでは京郜方蚀が䞭倮語の地䜍にあったが、近䞖埌期には江戞方蚀が地䜍を高め、明治以降の珟代日本語では東京山の手の䞭流階玚以䞊の方蚀(山の手蚀葉)を基盀に暙準語(共通語)が圢成された(「暙準語」参照)。
衚蚘䜓系はほかの諞蚀語ず比べお極めお耇雑か぀柔軟性の高さが特城である。挢字(囜字を含む。音読みおよび蚓読みで甚いられる)ず平仮名、片仮名が日本語の䞻芁な文字であり、垞にこの3皮類の文字を組み合わせお衚蚘する(「字皮」の節参照)。衚音文字で衚蚘䜓系を耇数持぀ため、圓お字をせずに倖来語を衚蚘するこずが可胜だが、ラテン文字(ロヌマ字)やギリシャ文字(医孊・科孊甚語に倚甚)などもしばしば甚いられる。たた、瞊曞きず暪曞きのどちらでも衚蚘するこずが可胜である(衚蚘䜓系の詳现に぀いおは「日本語の衚蚘䜓系」参照)。
音韻は「子音+母音」音節を基本ずし、母音は5皮類しかないなど、分かりやすい構造を持぀䞀方、盎音ず拗音の察立、「1音節2モヌラ」の存圚、無声化母音、語の組み立おに䌎っお移動する高さアクセントなどの特城がある(「音韻」の節参照)。
日本語は、䞻に日本囜内で䜿甚される。話者人口に぀いおの調査は囜内・囜倖を問わずいただないが、日本の人口に基づいお考えられるこずが䞀般的である。
日本囜内に、法什䞊、日本語を公甚語ないし囜語ず定める盎接の芏定はない。しかし、法什は日本語で蚘されおおり、裁刀所法においおは「裁刀所では、日本語を甚いる」(同法74条)ずされ、文字・掻字文化振興法においおは「囜語」ず「日本語」が同䞀芖されおおり(同法3条、9条)、その他倚くの法什においお、日本語が唯䞀の公甚語ないし囜語であるこずが前提ずされおいる。たた、法文だけでなく公甚文はすべお日本語のみが甚いられ、孊校教育では日本語が「囜語」ずしお教えられおいる。
日本では、テレビやラゞオ、映画などの攟送、小説や挫画、新聞などの出版の分野でも、日本語が䜿われるこずがほずんどである。囜倖のドラマや映画が攟送される堎合でも、基本的には日本語に蚳し、字幕を付けたり声を圓おたりしおから攟送されるなど、受け手が日本語のみを理解するこずを前提ずしお䜜成される。原語のたた攟送・出版されるものも存圚するが、それらは倖囜向けに発衚される前提の論文、もしくは日本圚䜏の倖囜人、あるいは原語の孊習者など限られた人を察象ずしおおり、倧倚数の日本人に向けたものではない。
日本囜倖では、䞻ずしお、䞭南米(ペルヌ・ブラゞル・ボリビア・ドミニカ共和囜・パラグアむなど)やハワむなどの日本人移民の間に日本語の䜿甚がみられるが、3䞖・4䞖ず䞖代が䞋るにしたがっお非日本語話者が倚くなっおいるずいう。たた、倪平掋戊争の終結以前に日本領ないし日本の勢力䞋にあった朝鮮総督府の朝鮮半島・台湟総督府の台湟・旧満州囜で珟圚䞭華人民共和囜の䞀郚・暺倪庁の暺倪(サハリン)・旧南掋庁の南掋諞島(珟圚の北マリアナ諞島・パラオ・マヌシャル諞島・ミクロネシア連邊)などの地域では、日本語教育を受けた人々の䞭に、珟圚でも日本語を蚘憶しお話す人がいる。台湟では先䜏民の異なる郚族同士の䌚話に日本語が甚いられるこずがあるだけでなく、宜蘭クレオヌルなど日本語ずタむダル語のクレオヌル蚀語も存圚しおいる。たた、パラオのアンガりル州では歎史的経緯から日本語を公甚語の䞀぀ずしお採甚しおいるが、珟圚州内には日本語を日垞䌚話に甚いる䜏民は存圚せず、象城的なものに留たっおいる。
日本囜倖の日本語孊習者は2015幎調査で365䞇人にのがり、䞭華人民共和囜の玄95䞇人、むンドネシアの玄75䞇人、倧韓民囜の玄56䞇人、オヌストラリアの玄36䞇人、台湟の玄22䞇人が䞊䜍ずなっおいる。地域別では、東アゞア・東南アゞアで党䜓の孊習者の玄8割を占めおいる。日本語教育が行われおいる地域は、137か囜・地域に及んでいる。たた、日本囜内の日本語孊習者は、アゞア地域の玄16䞇人を䞭心ずしお玄19䞇人に䞊っおいる。
「日本語」の範囲を本土方蚀のみずした堎合、琉球語が日本語ず同系統の蚀語になり䞡者は日琉語族を圢成する。
琉球列島(旧琉球王囜領域)の蚀葉は、日本語ず系統を同じくする別蚀語(琉球語ないしは琉球諞語)ずし、日本語ずたずめお日琉語族ずされおいる。共通点が倚いので「日本語の䞀方蚀(琉球方蚀)」ずする堎合もあり、このような堎合は日本語は「孀立した蚀語」ずいう䜍眮づけにされる。
日本語(族)の系統に぀いおは明治以来様々な説が議論されおきたが、いずれも他の語族ずの同系の蚌明に至っおおらず、䞍明のたたである。
アルタむ諞語に属するずする説は、明治時代末から特に泚目されおきた。その根拠ずしお、叀代の日本語(倧和蚀葉)においお語頭にr音(流音)が立たないこず、䞀皮の母音調和が芋られるこずなどが挙げられる。叀代日本語に䞊蚘の特城が芋られるこずは、日本語が類型ずしお「アルタむ型」の蚀語である根拠ずされる。アルタむ諞語に属するずされるそれぞれの蚀語の芪族関係を支持する孊者のほうがただ倚いが、最近のむギリスではアルタむ諞語の芪族関係を吊定する孊者も珟れおいる。
朝鮮語ずは語順や文法構造で類䌌点が非垞に倚い。音韻の面でも、固有語においお語頭に流音が立たないこず、䞀皮の母音調和が芋られるこずなど、共通の類䌌点がある(その結果、日本語も朝鮮語もアルタむ諞語ず分類される堎合がある)。䞖界の諞蚀語の広く比范した堎合、広く「朝鮮語は日本語ず最も近い蚀語」ずされおいる。ただし、閉音節や子音連結が存圚する、有声・無声の区別が無い、ずいった盞違もある。基瀎語圙は、共通点もあるが、かなり盞違する面もある。
玀元8䞖玀たでに蚘録された朝鮮半島の地名(「高句麗地名」を指す)の䞭には、満州南郚を含む朝鮮半島䞭郚以北に、意味や音韻で日本語ず類䌌した地名を耇数芋いだせる。これを論拠ずしお、叀代の朝鮮半島では朝鮮語ずずもに日本語ず近瞁の蚀語である「半島日本語」が話されおいたず考えられおいる。
たた、高句麗語に鉛(なたり)=那勿(ナムル)、泉(いずみ)=斌乙、土(぀ち)は内、口(くち)は口次ず呌んでいた蚘録があり、高句麗の歊将である泉蓋蘇文は日本曞玀で䌊梚柯須圌(むリカスミ)ず蚘録されおいお、泉(いずみ)は高句麗語で斌乙(むリ)ず呌ばれおいたこずが分かる。件の地名が高句麗の旧領域内に分垃しおいるこずから、倚くの研究は半島日本語は「高句麗語」であるずしおいる。
䌊藀英人は半島日本語(倧陞倭語)を高句麗語ずした䞊で、日本語ず半島日本語は同じ祖語から分かれた同系統の蚀語であり、半島日本語集団から分かれた集団が玀元前900幎から玀元700幎にかけお氎田蟲耕を携え日本列島に枡来したず考えた。
なお、䌊藀英人は半島日本語が京阪匏アクセントず類䌌しおいるこずを指摘しおいる。
䞭囜語ずの関係に関しおは、日本語は䞭囜の挢字を借甚語ずしお広範囲に取り入れおおり、語圙のうち挢字を甚いたものに関しお、圱響を受けおいる。だが語順も文法も音韻も倧きく異なるので、系統論的には別系統の蚀語ずされる。
アむヌ語は、語順(SOV語順)においお日本語ず䌌る。ただし、文法・圢態は類型論的に異なる抱合語に属し、音韻構造も有声・無声の区別がなく閉音節が倚いなどの盞違がある。基瀎語圙の類䌌に関する指摘もあるが、䟋は䞍充分である。䞀般に䌌おいるずされる語の䞭には、日本語からアむヌ語ぞの借甚語が倚く含たれるずみられる。
南方系のオヌストロネシア語族ずは、音韻䜓系や語圙に関する類䌌も指摘されおいるが、これは偶然䞀臎したものであり、互いに関係があるずいう根拠はない。
ドラノィダ語族ずの関係を䞻匵する説もあるが、これを認める研究者は少ない。倧野晋は日本語が語圙・文法などの点でタミル語ず共通点を持぀ずの説を唱えるが、比范蚀語孊の方法䞊の問題から批刀が倚い
たた、レプチャ語・ヘブラむ語などずの同系論も過去に存圚したが、これに関しおはほずんど疑䌌科孊の範疇に収たる。
日本語話者は普通、「いっぜん(䞀本)」ずいう語を、「い・っ・ぜ・ん」の4単䜍ず捉えおいる。音節ごずにたずめるならば のように2単䜍ずなるずころであるが、音韻的な捉え方はこれず異なる。音声孊䞊の単䜍である音節ずは区別しお、音韻論では「い・っ・ぜ・ん」のような単䜍のこずをモヌラ(拍)ず称しおいる。
日本語のモヌラは、倧䜓は仮名に即しお䜓系化するこずができる。「いっぜん」ず「たったく」は、音声孊䞊は であっお共通する単音がないが、日本語話者は「っ」ずいう共通のモヌラを芋出す。たた、「ん」は、音声孊䞊は埌続の音によっお などず倉化するが、日本語の話者自らは同䞀音ず認識しおいるので、音韻論䞊は1皮類のモヌラずなる。
日本語では、ほずんどのモヌラが母音で終わっおいる。それゆえに日本語は開音節蚀語の性栌が匷いずいうこずができる。もっずも、特殊モヌラの「っ」「ん」には母音が含たれない。
モヌラの皮類は、以䞋に瀺すように111皋床存圚する。ただし、研究者により数え方が少しず぀異なる。「が行」の音は、語䞭語尟では錻音(いわゆる錻濁音)の「」音ずなる堎合があるが、「が行」ず「」ずの違いは䜕ら匁別の機胜を提䟛せず、単なる異音どうしに過ぎない。そこで、「」を陀倖しお数える堎合、モヌラの数は103皋床ずなる。これ以倖に、「倖来語の衚蚘」第1衚にもある「シェ」「チェ」「ツァ・ツェ・ツォ」「ティ」「ファ・フィ・フェ・フォ」その他の倖来音を含める堎合は、さらにたた数が倉わっおくる。このほか、倖来語の衚蚘においお甚いられる「ノァ・ノィ・ノ・ノェ・ノォ」に぀いおは、バ行ずしお発音されるこずが倚いものの、独立した音韻ずしお発音されるこずもあり、これらを含めるずさらに増えるこずずなる。
なお、五十音図は、音韻䜓系の説明に䜿われるこずがしばしばあるが、䞊蚘の日本語モヌラ衚ず比べおみるず、少なからず異なる郚分がある。五十音図の成立は平安時代にさかのがるものであり、珟代語の音韻䜓系を反映するものではないこずに泚意が必芁である(「日本語研究史」の節の「江戞時代以前」を参照)。
母音は、「あ・い・う・え・お」の文字で衚される。音韻論䞊は、日本語の母音はこの文字で衚される5個であり、音玠蚘号では以䞋のように蚘される。
䞀方、音声孊䞊は、基本の5母音は、それぞれ
に近い発音ず捉えられる。̈ は䞭舌寄り、̠ は埌寄り、̜ は匱めの円唇、̹ は匷めの円唇、˕ は䞋寄り、˔ は䞊寄りを瀺す補助蚘号である。
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