Question
stringlengths
3
874
Answer
stringlengths
2
4.92k
copyright
stringlengths
3
12
url
stringlengths
3
164
農業用水路に排出している場合、排出先は「公共用水域」で良いのでしょうか。
「公共用水域」とは「河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいう」と定義されており、農業用水路は「かんがい用水路」に該当するため、そこへの排出は「公共用水域への排出」として届け出る必要があります。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
溶接を行う際、金属ヒュームが大気中に排出されますが、厳密に言えば、いったんは大気に排出されたものが、温度低下に伴って、事業所内の壁や床、土壌等に染み込むと考えられますが、この場合でも全量が大気への排出であると考えてよいでしょうか。
排出区分(大気、水域、土壌)毎に排出量を把握することが基本ですが、このような場合には、その厳密な把握は不可能なため、すべて大気への排出とみなして差し支えありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
燃焼施設から排出される金属化合物等は、大気への排出、土壌への排出のどちらで届け出ればよいのですか。
燃焼施設の煙突から排出される金属化合物等は、大気への排出として届け出てください。土壌への排出は、漏洩や地下浸透等により直接、対象物質が土壌へ排出されるものを対象としています。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
廃棄物の移動量を算出する場合、対象物質の含有率が必要ですが、実測値等のデータがない場合、どうすればよいのですか。
廃棄物中の対象物質の含有率については、類似施設での文献値、廃棄物発生工程毎の経験値等を参考にして求めても構いません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
廃棄物焼却炉から発生した焼却灰等に含まれるクロム等の重金属類等の移動量を把握するために、溶出試験の結果を用いてもよいのでしょうか。
溶出試験は、あるpHに設定した(埋立処分するものにあっては5.8以上6.3以下)試料液に焼却灰等から溶出する重金属類等の量を測定しているものですので、実際に焼却灰等に含まれている重金属類等の量とは異なるため、算出に用いることは適切ではありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
排水処理施設や排ガス処理施設での対象物質の除去率や排出濃度の実測データがない場合はどうすればよいのですか。
取扱工程からの潜在排出量を物質収支、又は経験値等から推算し、これとPRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部4-3-8(→ p.Ⅲ456)の除去率を用いるなどして算定してください。なお、除去された分は廃棄物に含まれる量となる場合もありますので留意してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
排水中の対象物質の測定データから、公共用水域への排出量を算出したいが、測定データが検出下限以上、定量下限未満あるいは検出下限未満の場合の扱いはどうすればよいのでしょうか。
測定データが検出下限以上、定量下限未満の場合は、定量下限値の2 分の1とみなし、検出下限未満の場合は、0(ゼロ)とみなして、排出量を算出してください。 PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅱ部2-2-6 の留意事項①(→ pⅡ-61)を参照してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
排出ガス及び排出水中のダイオキシン類の量について、ダイオキシン類法施行規則では、異性体の測定量ごとに、その測定量が定量下限以上のものはそのままの値をTEQ換算し、定量下限未満のものは0としてTEQ換算し、それらを合計することになっています。一方、PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅱ部2-2-6(→ p.Ⅱ-61)及びQ89では、「測定値が検出下限未満(N.D.)の場合は0とみなし、検出下限以上、定量下限未満の場合には、定量下限値の1/2とみなすこと」とされています。ダイオキシン類についてPRTR の届出を行うに当たっては、どちらの考え方によるのが適当でしょうか。
法施行規則第4条(→ pⅢ-475)に基づき「ダイオキシン類」(物質番号243)の排出量(ダイオキシン法の特定施設を有する事業所にあっては排出量及び移動量)を把握する義務がある事業者は、その事業所内の施設でダイオキシン法等の他法令に基づき測定した、排出ガス・排出水中のダイオキシン類の排出濃度の実測値等を用いて、ダイオキシン類の排出量を算出し、届け出る必要があります。 この場合、ダイオキシン類法上の測定値を用いて化学物質排出把握管理促進法に係る排出量を算定して差し支えありません。したがって、マニュアルの上記部分は、ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設等については適用せず、PRTRの届出のために新たにダイオキシン類の量を計算しなおす必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
塩化第二鉄を凝集剤として使用している場合は、排出量等をどのように算出するのでしょうか。
凝集剤として投入した塩化第二鉄が排水中で全て沈殿物となり、排水中に塩化第二鉄が存在しない場合には、公共用水域への排出量は「0」として届出してください。 一方、沈殿物の中に塩化第二鉄が含まれている場合には、その塩化第二鉄の量を移動量として届出していただく必要(凝集剤として投入した塩化第二鉄が全て沈殿物に含まれる場合には、投入した量を移動量として届出してください。)がありますが、化学反応により塩化第二鉄が全て別の物質(PRTRの対象物質以外の物質)に変化した場合には、移動量は「0」として届出してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
めっき等の工程において、個々の製造品に付着する対象物質の量(製造品としての搬出量)を把握するのが困難である場合は、どのようにすればよいのでしょうか。
製品1 トンあたりの対象物質の平均付着量などを利用するなどして製造品としての搬出量を算出してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
ニッケル(金属ニッケル)を電極として、ニッケル化合物(硫酸ニッケル等)であるめっき液を使用するめっき工程では、年間取扱量をどのように算出するのでしょうか。
「ニッケル」については、電極(陽極)の使用電極の減耗分に相当するニッケルの量を年間取扱量に算入してください。「ニッケル化合物」については、ニッケル電極(陽極)から溶解した量を「製造量」として、めっき液の入れ替えや追加的な注入によって電解浴槽に投入されたニッケル化合物の量を「使用量」として、それぞれニッケル換算して年間取扱量を算入してください。 この考え方に沿っためっき工程における排出量の算出例をPRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部1-8(→ p.Ⅲ-100)に示しますので、参考にしてください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
排ガス・排水処理として、活性炭吸着回収装置を使用しており、活性炭に吸着した対象物質を同一事業所内で回収・再利用しているが、この場合はどのように排出量、移動量を算出すればよいのですか。
回収・再利用している場合は、排ガス・排水処理がある場合に算出する「排ガス・排水処理からの廃棄物に含まれる量」を算出しないで、物質収支をとって排出量を算出してください(これにより、回収・再利用している分を「廃棄物に含まれる量」に加算することや、排出量から二重に差し引くことがなくなります)。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
対象物質が、製造プラントのパイプラインのつなぎ目やフランジから大気中へ漏洩する分は、どのようにして排出量を把握するのですか。
パイプラインのつなぎ目やフランジ等から排出される量を測定するなどして個別に把握するのは難しいと考えられます。年間取扱量から製造品としての搬出量等、廃棄物に含まれる量、水域への排出量などを差し引く物質収支による方法で、製造プラント全体での大気への排出量を算出し、それに含まれるものとするなどして把握してください。PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部1-2(→ p.Ⅲ-26)を参照してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
有機溶剤焼却装置にトルエンを助燃剤として使用していますが、全て炭酸ガスと水になると考えて良いでしょうか。
焼却装置や焼却条件により除去率が異なり、トルエンが全て分解しているとは限りません。装置の取扱説明書や文献、同様の事例から除去率が分かる場合はその数値を用いて算出してください。その除去率が把握できない場合は、除去率を99.5(「4-3-8代表的な排ガス、及び排水処理装置の除去率と分解率」(→ p.Ⅲ-456)、「排ガス処理装置の除去率と分解率(%)」表の「代表値」)%とみなして算出してください
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
洗剤製造時の乾燥工程での揮発成分(対象物質)の排出量、移動量はどのように算出すればよいのでしょうか。
製造した洗剤中の余分な揮発成分等を乾燥により、除去していると考えられますので、この前段の製造工程で製造された洗剤に含まれる揮発成分がすべて大気へ排出されるものとして、大気への排出量を算出してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
試薬等の製造品をビンや缶などの容器に充填する際の排出量、移動量はどのように算出し、届け出ればよいのでしょうか。
容器に充填する際に気化するものについては、「大気への排出」として、またこぼれたものなどを水で洗い流し、公共用水域へ放流している場合は「公共用水域への排出」として算出し、届け出てください。水で洗い流したものを下水道へ放流している場合は「下水道への移動」として算出し、届け出てください。また、こぼれたものを集めて廃棄物処理業者等に引き渡している場合などは「当該事業所の外への移動」として算出し、届け出てください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
研究所における対象物質の排出量、移動量はどのように算出すればよいのでしょうか。
研究所では、一般に反応工程、溶剤使用工程など様々な工程が組み合わさったものと考えられますので、「PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部1.」(→p.Ⅲ-4)の工程のうち該当するものを参考にするか、PRTR排出量等算出マニュアル第Ⅱ部を参考にするなどして、対象物質の排出量、移動量を算出してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
機械修理業においては、塗装や接着等の作業時に対象物質が排出、移動されますが、修理箇所や損傷の程度により数多くの作業方法があるため、個々に排出量、移動量を算出するのが困難です。どのようにして排出量、移動量を算出すればよいでしょうか。
個々の作業における排出量、移動量を算出するのが困難であれば、事業所全体での排出量、移動量を物質収支とその他の方法とを組み合わせるなどして算出してください。なお、「第Ⅲ部 1.」(→p.Ⅲ-4)の工程のうち該当するものを参考してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
事業所外の事業活動(客先での据付工事など)に伴う対象物質の排出量、移動量は届出の対象となりますか。
事業所外の事業活動に伴う排出量、移動量は届け出る必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
事業所で自動車を保有しており、燃料中に対象物質が1質量%以上含まれていますが、自動車からの排出についても届け出る必要がありますか。
自動車から排出される対象物質については、国において排出量の推計を行うことになっており、届出の必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
船舶を保有していますが、船舶から排出される対象物質についても届け出る必要がありますか。
船舶から排出される対象物質も自動車同様に、国において排出量の推計を行うことになっており、届出の必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
事業所内に、業としてガソリンを給油する施設がありますが、そこからの排出について届け出る必要がありますか。
事業者が業種、常時使用する従業員の数の要件を満たしている場合、ガソリンには対象物質であるベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が含有されていますので、届出の必要性を判定してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
構内専用の車両(フォークリフトなど)については、排出量をどのように算出したらよいですか。
ガソリンエンジンで稼働する車両(フォークリフト、空港補助機械、物流機械、オフロード車両)については、例えば、以下の排出係数、事業所内での年間使用時間(業務日誌等で確認)のデータ等を用いて、フォークリフト等の燃料として用いられるガソリン以外の用途(塗料等)も含めて事業所全体における年間取扱量が1t以上となるキシレン、トルエン、エチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、1,2,4-トリメチルベンゼン、ノルマルヘキサンまたは年間取扱量が0.5t以上となるベンゼンについて、その排出量を算出してください。 なお、軽油(ディーゼルエンジン)やLPGを燃料として稼働する車両については、燃料中の第一種指定化学物質の含有率が1%に満たないことから、排出量の把握の必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
ガソリンスタンドは、政令で定める業種の燃料小売業に該当しますが、どのような物質について、どのように排出量を算出したら良いのでしょうか。
ガソリン中に含まれているベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が届出の対象となります(PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部4-2-4(→ p.Ⅲ-291)参照)。貯蔵タンクからの算出についてはPRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部1-1(→ p.Ⅲ-6)に例が示されていますので参考にしてください。また、石油連盟・全国石油商業組合連合会より給油所からの排出量等算出マニュアル(PRTR法と給油所)が発行されていますので、そちらも参考にしてください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
対象物質を輸送している際の排出量を届け出る必要があるのですか。
事業所外での活動における排出、移動は対象となりませんので、輸送している際の排出量、移動量を届け出る必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
対象物質の大気と水域への排出量の比較をする場合、実測データがないとき、取扱状況及びヘンリー定数等から、どちらにより多く排出されるか判断することとなっていますが、どのように判断すればよいのですか。
大気と水域のどちらが多いかがまったくわからない場合は、PRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部4-3-9(→ p.Ⅲ-459)を参考に判断してください。 なお、対象物質のヘンリー定数はPRTR排出量等算出マニュアル 第Ⅲ部4-2-9(→ p.Ⅲ-362)を参照してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
A事業者は外資系の企業であり、排出量等の把握を年次単位で行っていますが、年次実績で排出量等を届け出てよいでしょうか。
法では、年度単位で届け出ることになっていますので、年度単位で届け出てください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
届出書別紙中に記載すべき排出先の河川等の名称は、いかなるものを記載したらよいでしょうか。 また、事業所からの排水が2つ以上の河川等に排出されている場合には、排出先の河川等の名称はどうすればよいのでしょうか。
経済産業省及び環境省のホームページにおいて、都道府県ごとに記載すべき名称を整理したもの(「PRTR届出の公共用水域(河川、湖沼、海域等)の名称について」)が掲載してありますので、それを参照してください。 また、事業所からの排水が2つ以上の河川等に排出されている場合には、排出される対象物質の排出量の多い方の河川等を記入してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
届出様式には「年間取扱量」を記載する欄がありませんが、排出量の算出にあたって把握した年間取扱量を届け出る必要はないのでしょうか。
届出の必要はありません。ただし、取扱量を把握していないと自社が対象事業者か否かが判明しませんので、取扱量を把握することは重要です。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
年間取扱量が5トンを超えていますが、環境中への排出はほとんどなく届出様式に記載する数値は「0.0」となりました。この場合も届出が必要ですか。
対象事業者としての要件を満たすものが排出量又は移動量を算出した結果、「0.0」である場合は、「0.0」と届出書に記載して届出を行うことが必要です。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/haisyutsu.html
一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設を設置している廃棄物処理業者や下水道終末処理施設を設置している下水道業者が届け出るべき物質は、具体的には何ですか。
下水道事業者については「下水道法に基づく水質検査の対象となっている第一種指定化学物質」(法施行規則第4条第1号ニ(→ pⅢ-475))、廃棄物処理業者については「水質汚濁防止法第14条第1項等に基づく水質検査の対象となっている第一種指定化学物質」(法施行規則第4条第1号ホ(→ pⅢ-476))であり、具体的には次のページに掲げる30物質(ただし法施行規則第4条第1号ホ(1)に該当する事業者は、法令に基づき14-ジオキサンについて、平成24年度中に測定を行った場合は届出を行う)及びダイオキシン類です(ただし、ダイオキシン類については、ダイオキシン類法の特定施設となっている下水道終末処理施設の場合のみ)。 なお、「フェノール類」が水質検査の対象となっていますが、これには第一種指定化学物質である「フェノール」、「クレゾール」及び「ピロカテコール」を含む多様な物質が含まれており、それぞれの分別が困難であること等にかんがみ、いずれについても届出は不要と解します。 都道府県の判断により以下に示す30物質及びダイオキシン類以外のPRTRの対象物質で水質検査の対象に加えられている物質については、届出の必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
いわゆる特別要件施設に関して、他法令に基づく測定項目(水質検査による測定が義務付けられているもの)となっている対象物質以外に、汚泥中の化学分析等を自主的に行っております。こうして把握した対象物質の排出量等を届け出る義務はありますか。(又は、届け出てもよいでしょうか。)
排出量等の把握が求められているもの以外については、届出の必要はありません。(届出を行わないでください。)
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
他法令で測定義務があるにもかかわらず、実際には測定していない第一種指定化学物質がある場合、PRTRの届出をしなくてもよいのでしょうか。
下水道法等に基づく測定が求められている第一種指定化学物質については、仮に実際には測定を行っていなかったとしても、法に基づく届出を行う必要がありますので、法施行規則第2条(→ pⅢ-474)の定めるいずれかの方法に基づき、排出量を把握した上で、届出を行ってください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
放流水のない一般廃棄物最終処分場や排水が出ない構造の一般廃棄物焼却施設が設置されている事業場においては、法定測定項目について、排出量を「0.0」として届出を行う必要があるのでしょうか。
放流水のない一般廃棄物最終処分場や排水が事業所の外へ排出されない構造の一般廃棄物焼却施設については、法施行規則第4条第1号ホ(→ pⅢ-476)に列記した法令に基づく測定を求められていない場合、法に基づく排出量の把握の義務はなく、「0.0」と記載した届出書を届け出てもらう必要はありません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
例えば、マンガン及びその化合物(物質番号412)等については、下水道法や水質汚濁防止法等の法定測定項目としては「溶解性」のものに限定されており、第一種指定化学物質の範囲と法定測定項目の記載にズレがあります(注)。このような場合は、「溶解性マンガン」についての測定結果をそのまま用いて、「マンガン及びその化合物」の排出量を算出してもよろしいですか。
差し支えありません。(なお、「下水道における化学物質排出量の把握と化学物質管理計画の策定等に関するガイドライン(案)」(国土交通省年・地域整備局下水道部、平成17年8月)の中でサンプリング調査等を行い、一定の排出係数が設定されています。) (注)なお、以下についても同様です。 ・「亜鉛の水溶性化合物」(← 法定測定項目は「亜鉛含有量」) ・「クロム及び三価クロム化合物」(←「クロム含有量」) ・「無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く)」(← 「シアン化合物」) ・「水銀及びその化合物」(←「水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物」) ・「銅水溶性塩(錯塩を除く)」(←「銅含有量」) ・「鉛化合物」(←「鉛及びその化合物」) ・「砒素及びその無機化合物」(←「砒素及びその化合物」) ・「ふっ化水素及びその水溶性塩」(←「ふっ素化合物」) ・「ほう素化合物」(←「ほう素及びその化合物」)
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
EPNについては、法ではEPN単体が届出の対象である第一種指定化学物質とされているが、下水道法や水質汚濁防止法等の法定測定項目ではパラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及びEPNの総量で「有機燐化合物」として測定しています。外部委託で測定を実施している場合、有機燐化合物として環境計量証明が出されており、EPN単体としては証明されていないのが通常ですが、このような場合、測定業者にEPN単体の測定結果を問い合わせて排出量を算定しなければならないのですか。
「有機燐化合物」としての測定値を用いて、「EPN」(物質番号48)の排出量を算出しても、差し支えありません。(PRTRの届出を行うべき物質は、「有機燐化合物」ではなく、「EPN」です。)
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
下水道業者について、国土交通省下水道部から発出された事務連絡(平成13年7月6日付け)に、「下水道業のうち、自ら第一種指定化学物質の製造、使用その他の取扱いがなく、かつ、下水道法第11条の2 に基づく届出等の状況から、法施行令第3条(→ pⅢ-471)の業種に属する事業場の接続がないことが明らかで、第一種指定化学物質の流入が見込まれない下水道に係る下水道事業を営む者については、法第2 条第5項(→ pⅢ-470)に基づく『事業活動に伴って付随的に第一種指定化学物質を生成させ、又は排出することが見込まれる者』には該当せず、第一種指定化学物質等取扱事業者には該当しません。」との記述がありますが、具体的には如何なる対象が除外されるのでしょうか。
下水道法第11条の2の規定に基づく下水道使用者による届出の状況から、下水道管理者において、以下のいずれにも該当することが確認できた下水道終末処理施設については、法施行規則第4条第1号ニ(→ p.Ⅲ-475)に基づく届出は不要として運用しています。 ① 法施行令第3条の業種に属する事業所の接続がないこと(届け出られた下水道使用者のリストから判断するものとし、いかなる事業を営んでいるか不明な事業者が含まれている場合は、対象事業を行っているものとみなしてください。) ② 第一種指定化学物質の流入が見込まれないこと(過去に行われた放流水の水質測定において第一種指定化学物質が検出されなかった場合を意味します。) ただし、下水道業を営む事業者が、自ら第一種指定化学物質を使用しており、その年間取扱量が1トン(特定第一種指定化学物質については0.5 トン)を超える場合は、届出が必要となります。なお、同様の考え方から、もっぱら生活排水等の処理を行う農業集落排水施設及び合併処理浄化槽についても、届出は不要としているところです。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
他の機関に分析を依頼して、「定量下限値○○mg 以下」との証明が出ている場合は、「定量下限値の1/2」の値を用いて計算するべきでしょうか、それとも、ダイオキシン類と同様に「0」として計算してよいでしょうか。
PRTR排出量等算出マニュアル pⅡ-83の記載を参照してください。ただし、ダイオキシン類については、ダイオキシン類法と同一の方法を採ることで構いません。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
市町村の設置した一般廃棄物処理施設は、法施行令第4条第1号ホ(→pⅢ-476)の「一般廃棄物処理施設」に該当しますか。
市町村の設置した一般廃棄物処理施設も、法施行令第4条第1号ホの「一般廃棄物処理施設」に該当します。法施行令第4条第1号ホが引用する「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」とします)第8条第1項に規定する「一般廃棄物処理施設」とは、「廃掃法第8条第1項に定義されている一般廃棄物処理施設」を指し、「廃掃法第8条第1項に基づき許可を受けなければならない一般廃棄物処理施設」を意味するものではありません。したがって、市町村の設置する一般廃棄物処理施設については、廃掃法第8条第1項に基づく許可を必要とされておりませんが(廃掃法第9条の3参照)、同項に規定する「一般廃棄物処理場」の定義には合致すると考えられます。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
ごみ処分業を行っている一部事務組合等が、民間企業に収集・運搬業務を委託している場合、民間企業の従業員数は、一部事務組合等の常用雇用者数に算入するのでしょうか。
委託業務に関する管理の責任を一部事務組合等が負っているのであれば、当該委託業務に従事する者も当該一部事務組合等の常用雇用者数に算入してください。なお、委託関係については、Q12を参照してください。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課にて作成された「PRTR届出の手引き(一般廃棄物処理業)」p3に「PRTR 届出区分の整理」の表があり、この中に一般廃棄物焼却施設及び一般廃棄物最終処分場における物質について、下水道放流の場合は届出不要との記載がありますが、法施行規則もそのような規定ぶりになっていると理解してよろしいでしょうか。
PRTR排出量等算出マニュアルに記載のとおり、一般廃棄物処理施設(一般廃棄物焼却施設及び最終処分場)から下水道放流される第一種指定化学物質の量については、仮に他法令に基づく測定を行うこととなっているとしても、法に基づく届出の必要はありません。 法施行規則第4条第1号ホ(→ pⅢ-476)に列記されているとおり、一般廃棄物処理施設において把握する必要があるのは「排出量」のみであり、「移動量」については、把握の対象となっていません。下水道放流は「移動量」という整理ですので、下水道放流の把握の必要はありません。 ただし、ダイオキシン特別措置法の特定施設(一定要件を満たす一般廃棄物焼却炉など)を設置している場合は、法施行規則第4条第1号ト(→ pⅢ-476)に基づき、ダイオキシン類については、事業所の外への移動量についても把握が必要です。(法施行規則第4条第1号トには、「排出量及び移動量」と規定されています。)
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
同じ事業所内に「ごみ処分業」に係る焼却施設と「し尿処理業」に係る焼却施設を設置している場合、両方の施設からの「ダイオキシン類」などに関する排出量を合計したものを、事業所からの排出量として届け出るのでしょうか。
法施行規則第4条第1号ホ(→ pⅢ-476)においては、ごみ処分業を営む者が有する事業所について、所要の排出量を把握することとされており、「ごみ処分業に係る排出量」といった限定された規定の仕方にはなっていません。したがって、例えば、ごみ処分業を営む事業所内に設置されている「し尿処理業」に係る焼却施設については、水質汚濁防止法に基づく測定が求められていれば、その測定対象となっている排出量とごみ処分業に係る焼却施設からの排出分を合算して把握・届出することとなります。 また、ごみ処分業を営んでいる者がダイオキシン特別措置法の特別施設を有している事業所については、ダイオキシン類の排出量について、ごみ処分業に係る焼却施設からの排出分のみならず、その他の事業(し尿処理業)に係る排出量も合算して把握することとなります。
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
一般廃棄物処理施設を設置する事業者(市町村、一部事務組合)の届出について、一般廃棄物処理施設(廃掃法第8条第1項)のうち、粗大ごみ処理施設、リサイクルプラザ等再生利用施設、運搬中継施設等が独立した事業所である場合も当該施設が特別要件に該当する施設であり届出対象事業所となりますが、特に他法令に基づく測定対象物質がないため、どのように届け出るのでしょうか。また、特別要件施設を設置する事業所ではなく、届出対象業種を営む事業者の一事業所と考えた場合、当該事業所で取り扱う廃棄物は使用量の把握から除かれることから、対象物質をどのように把握し、どのように届け出るべきでしょうか。
廃掃法第8条第1項に規定する一般廃棄物処理施設が設置されている事業所(ごみ処分業を営む者が有するもの)であっても、法施行規則第4条第1号ホ(→ pⅢ-476)に列記されている法令(一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分に係る技術上の基準を定める省令、ダイオキシン法、水質汚濁防止法)のいずれに基づく水質検査も求められていないものについては、法施行規則第4条第1号ホに基づく排出量の把握の義務はありません。 最終処分場、ダイオキシン法の特定施設、水質汚濁防止法の対象となる施設(焼却施設)のいずれも有していない粗大ごみ処理施設、再生利用施設、運搬中継施設については、仮にこれらが一般廃棄物処理施設に該当するとしても、上記の法令に基づく水質検査を行うこととはされておらず、したがって、法施行規則第4条第1号ホに基づく把握の義務はありません。 なお、施行規則第4条第1号イ又はロ(→ pⅢ-475)に該当する場合(第一種指定化学物質を1トン以上取り扱っている場合など)は別途把握が必要です。(それらもなければ、当該事業所については届出の必要はありません。)
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/qa/shisetsu.html
環境会計を導入,公表することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。
環境会計の導入により、導入側の企業にとっても、また、社会全体にとっても次のようなメリットがあります。 1.企業にとってのメリット (1) 経営管理面でのメリット(環境会計の内部機能)企業が環境会計を導入した場合、経営管理に役立つというメリットがあります。これは環境会計が企業の経営管理ツールといわれる理由です。環境庁のガイドラインでは、これを環境会計の内部機能と呼んでいます。環境会計というツールを用いて、環境保全活動に関する環境負荷情報、環境保全コスト、環境保全効果、環境保全対策に伴う経済効果などを把握(測定)し、分析することで、環境保全活動に対する経営資源の適切な配分を実現し、効率的な環境経営に資することができます。環境会計を企業の内部管理に役立てている例として、廃棄物処理費や再資源化経費を圧縮するためその収支を把握する例、環境保全のためのプロジェクトごとに収支を算出し投資判断に役立てている例、訴訟リスクを回避するための費用とそれを回避できた効果を対応させてリスクマネジメントに役立てている例等があります。もちろん、環境マネジメントシステムの一部に組み込んで、マネジメントの結果として環境会計を算出している例や、ISO14001 活動の効率化を図るために環境会計を行う例もあります。このように環境会計は企業の内部管理に役立つツールであると言えます。また、環境会計を導入した結果、例えば、廃棄物にかかるコストが予想以上に多額であることが把握でき、その廃棄物とコストを減らす活動を行ったことで、原価低減活動と同様の経済効果がでる場合があります。さらに、社内においても、環境会計を公表することにより、従業員のコスト意識を一層高めたり、環境問題についての正しい認識を浸透させたり、自社に対する理解を深めたり、環境配慮企業に帰属することの意識を高めたりすることができます。 (2) 外部報告によるメリット(環境会計の外部機能)企業が環境会計を公表するメリットは、環境報告書等にそれを載せることで社会とのコミュニケーションが促進できる点です。その結果、環境配慮企業として認知され、同業他社との差別化を図ることができ、さらには、営業戦略上の効果が上がる場合もあり得ます。株主・投資家にとっても、企業が環境格付けを受け、エコファンドに組み入れられたり、また株価に影響したりする場合があるので、環境配慮企業に対する関心が一層高くなります。人事採用の面でも、最近では環境会計を導入している環境配慮企業に若者の人気が集まる傾向があります。一般的に、外部のステイクホルダーとの信頼を構築することが可能になり、その企業の環境保全努力を認識してもらうことで、企業の社会性を高めることができます。 2.社会にとってのメリット社会にとってのメリットとしては、環境会計を公表する企業が増え、それに関心をもつステイクホルダーが育つことで、環境保全型社会的システムの確立に寄与することができ、社会全体として環境保全活動が促進されることになります。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全コストはどのように捉えればよいのでしょうか。
1.環境保全コストの捉え方環境会計で把握の対象になる環境保全コストとは、環境保全のための投資額と当期費用額をいいます。環境会計を導入している企業の中には、環境庁のガイドラインに沿って環境保全コストを捉えている企業も多いのですが、環境会計が内部管理目的にも有効なツールであることから、経営管理上の独自の考え方により環境保全コストを捉えている企業もあります。また、環境会計を導入する場合、内部管理に役立てるためと外部公表のためとでは、それぞれ目的が異なるため、同一企業において一口に環境保全コストといっても全く同じ範囲で捉えているとは限りません(環境保全コストの範囲については質問3参照)。 2.財務会計との関連「環境会計」の「会計」という言葉から、一般に財務会計との関連が考えられます。「財務会計」では、一般に公正妥当と認められた基準があります。また、貸借対照表や損益計算書という決算書を用い、財政状態や経営成績を計算することが要求されます。これに対して「環境会計」では、環境保全コストと効果の捉え方について確固たる基準がありません。集計の対象についても、環境会計は、企業等の環境保全のための投資額及び当期費用額だけでなくその効果を含めています。したがって、特に環境保全効果を表現するために物量単位を用いることとしており、財務会計とは別の体系であると言えます。このように、環境会計を企業の限られた経営資源を環境保全活動に有効に振り分けるためのツールとして財務会計とは別の体系と捉えると、財務会計と同様に貨幣単位を用いる環境保全コストについても、環境会計独自の考え方があって良いわけです。ただし、実務上、財務会計の基準を援用した方が導入しやすい場合には、そのような方法も可能です。また、実際のデータの集計方法については、質問 11 を参照して下さい。 3.環境保全コストの評価環境保全コストは、環境保全という目的からは「多ければ良い」とか「少なければ悪い」といった単純な見方はできるものではなく、環境保全効果や様々な条件との関係で判断されるべきものです。環境保全効果は企業の環境保全活動の成果と言えますが、たとえ、同じ金額の環境保全コストを負担していても、環境に対する貢献度合い又は成果の程度を評価できるというものではありません。例えば、ある企業が1億円の環境保全コストを集計していても、その額が多いのか少ないのかを適切に評価するには、その企業の業種や業態、業績推移も知る必要がありますし、また、過去に支出した環境保全コストの多寡も、判断材料になるでしょう。また、その1億円の環境保全コストをかけて、どれだけの環境保全効果が上がったのかを見ることにより、環境保全対策の効率性を知ることができます。もちろん、その1億円がどのように集計された、どのような取り組み内容への1億円なのかを知ることが評価の前提となることは言うまでもありません。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全コストの範囲について教えて下さい。
環境庁のガイドラインでは、「環境保全のための投資額及び費用額」を環境保全コストとしています。この投資額と費用額は2種類の別々の概念であって、両者の合計が環境保全コストの総額になるわけではありません。例えば、環境保全のための機械設備の場合、取得し使用開始した時に会計上は固定資産として貸借対照表に計上され、環境会計ではこの金額が「環境保全のための投資額」となります。一方、この機械設備は取得した年度だけでなく、その後、何年間も使用されるので、会計上はその年数にわたって少しずつ減価償却費という形で損益計算書に載ってきます。この減価償却費は、環境会計では「環境保全のための費用額」に含まれます。環境庁のガイドラインには、環境保全コストの費用対効果を見ようという発想があるので、各年度の効果と対比させるコストとして「環境保全のための費用額」の情報が必要となるのに対し、投資額もこれとは別に重要な情報なので、集計・公表することにしているのです。実際に、環境保全コストを集計する場合には、様々な投資や費用について、何がどこまで環境保全コストに含まれるかを判断しなければなりません。環境保全コストに入るかどうかの判断の基準として、目的基準(環境保全を目的として支出されたコストを含める)と効果基準(目的としなくても結果的に環境保全効果のあった支出を含める)という2種類がありますが、環境庁のガイドラインでは、原則として目的基準を採用した上で、必要に応じ効果基準で補うとしています。  環境庁のガイドラインに基づいて、具体的に環境保全コストを集計する際には、ガイドラインにおける「環境保全」の定義を参照するとともに、ガイドラインが示す基本的な6分類の環境保全コストの説明を参照するとわかりやすいでしょう(環境保全コストの6分類については質問4参照)。また、環境保全の目的と他の目的の両方に資するようなコストの場合、どの部分までを環境保全コストとするかという問題については、ガイドラインでは、環境保全に関する部分のみを取り出す(いわゆる差額集計)ことを基本としつつも、いくつかの代替的な方法を示しています(差額集計と代替的方法については、質問6参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全コストの分類について教えて下さい。
環境庁のガイドラインでは、環境保全コストを基本的には6種類に分類しています。この分類は、各環境保全コストが事業活動のどの部分に関係するかに焦点を当てています。まず、事業活動を「生産・サービス活動」、「管理活動」、「研究開発活動」及び「社会活動」の4種類に分けます。このうち「生産・サービス活動」は、抑制される環境負荷が事業エリア内で直接発生するか、上流・下流で発生するかによって二つに分けているので、ここまでで5種類となります。これに環境損傷コストを加えて、合計6種類としたのが環境庁のガイドラインの分類です。また、以上の分類に当てはまらないコストで環境保全に関連するコストが存在する場合には、範囲が不明確にならないように内容や理由の開示が求められます。 事業活動とのかかわり 環境保全コストの分類略称 生産・サービス活動  (1)事業エリア内コスト (同上) (2)上・下流コスト 管理活動  (3)管理活動コスト 研究開発活動 (4)研究開発コスト 社会活動  (5)社会活動コスト (事業活動区分と対応せず) (6)環境損傷コスト この分類のどこに含めるべきか判断に迷うコストもあるでしょう。例えば、製品リサイクルのための設計費は、生産・サービス活動に係る上・下流コストの方に分類する方法と研究開発コストに分類する方法の両方が考えられます。このような場合には、環境保全効果との対比という点から考えて、自社の実態に応じて適切と思われる方をとるとよいでしょう。なお、例えば、リサイクルシステム構築に伴う教育訓練のコストのように、特定の活動に関わる管理活動については、そのような特定の活動ごとに把握されている場合は、あえて(3)の管理活動コストに分類するよりも、その特定の活動の内容に応じて、(1)事業エリア内コスト、あるいは(2)上・下流コストに区分するべきでしょう。以上のような、環境庁のガイドラインの考え方とは別に、環境保全コストをコストの性格に応じて分類する考え方もあります。例えば、トヨタ自動車㈱では、環境投資の的確な実施により維持コストや潜在的維持コストを低減し、全体的な環境コストの効率性を高めていくという考え方に基づき、環境コストを環境投資と維持コストに分類しています(事例p.171~p.174 参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全投資とはどのようなものか教えて下さい。
環境会計の中で環境保全投資という言葉が使われることがあります。「投資」という言葉は様々な意味で使われますが、一般的には(a)財務会計上の固定資産の取得を意味する場合と、(b)何らかの効果(又は収益)を期待して資金(又は資源)を投下することを幅広く「投資」と呼ぶ場合があります。これらを反映して、環境保全投資という用語にもいくつかの異なった解釈が考えられます。 ①環境庁のガイドラインでは環境保全のための投資額及び費用額を環境保全コストとしていますが、この場合の投資額は財務会計上の償却資産の当期取得価額を意味しています(狭義の環境保全投資)。償却資産とは、設備や機械のように減価償却を行う固定資産です。 ②また、減価償却をしない土地や、子会社等への出資なども含めて、環境保全のための固定資産の取得をすべて環境保全投資と呼ぶという考え方も可能です(広義の環境保全投資)。 ③さらに、財務会計上の固定資産計上額にとどまらず、研究開発や人材の教育・トレーニングなどのように将来にも効果が及ぶ可能性があるものを広く「環境保全投資」と捉える場合もあります(最広義の環境保全投資)。以上の関係をまとめると以下のようになります。効果が将来に及ぶもの効果が将来に及ぶ可能性のあるもの財務会計で資産に計上されるもの有形・無形固定資産(償却資産のみ)土地子会社等への出資長期前払費用―費用処理されるもの― ― 研究開発費等                ①                    ②                         ③ 以上のうちのどの考え方を採用するかは、各企業の方針や環境会計導入の目的によりますが、それぞれに長所と短所があります。例えば③は、外部に報告する場合には、分類に恣意性が入る危険がありますが、環境保全効果との関係が重視されているので、内部管理に利用する際には有効と思われます。 ②の場合は、環境保全効果との対応は必ずしも厳密ではありませんが、財務会計に準じるので恣意性が入りにくい点が長所です。ただし、将来的にもコストにならないものが含まれています。 ①は、将来的にコストになるものに限るという明確な考え方です。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全コストの差額集計の考え方と具体的な方法を教えて下さい。
差額集計とは、環境保全コストが環境保全目的以外のコストと複合的に発生している場合に、環境保全目的以外のコストを控除して集計することです。環境保全コストは、純粋に環境保全の目的のため支出したコストに限定して集計することが基本とされています。これは環境保全の効果を生み出すもののみを環境保全コストとする考え方によるものです。1.差額集計が必要な場合差額集計の最も典型的な適用例として、例えば、次のような場合が考えられます。 ・ グリーン調達に伴い、原材料としての上質紙をリサイクル紙に切り替えた場合の環境保全対応の追加分の計算 ・ 生産設備に省エネ機能、省資源機能、大気汚染除去機能等が組み込まれている場合の設備投資額中の環境保全対応分の計算 ・ 新規の生産設備の研究開発として、生産スピードの向上機能とともに、省電力機能、騒音防止機能等が一体的に行われている場合の環境保全対応分の計算 2.差額の種類と差額集計方法差額集計上の差額としては、下記の図のとおり2 種類に大別できます。 (1) 環境対応していない他の同機能のものとの比較として差額を計算環境対応していないものの価格を基準として、環境配慮されたものの価格との差額を計算することになります。ただしこの場合、基準とすべきものが必ずしも明確でないという問題があります。また、最近の傾向として、差額がほとんどないケースや、差額がマイナスになるケースが報告されています。環境対応材料、設備等が必ず高いということはないのです。そこで実際には、次のようにいくつかの方法が考えられます。 ① 合理的と思われる基準となるべきものを想定し、原則通り差額を計算するこの場合、差額がマイナスになった場合は、計算上無視する方法、環境保全コストのマイナスとする方法、経済的効果とする方法等が考えられます。 ② 差額の計算に困難が伴うため、全額を計算するこの方法は、グリーン調達の状況等が明確に把握されるという利点があります。ただし、この場合には全額を環境保全コストに算入したことを注記などの形で明記すべきでしょう。通常の場合環境配慮 (2) 全体の中での環境対応分を差額として計算 ① 個別配分計算設備投資等の見積書、仕様書等を分析し、個別にその配分割合を算出し、配分計算する方法です。これは非常に高額な対象には適用することが必要と思われますが、あらゆる対象に適用することは実務上難しいでしょう。 ② 簡便按分計算社内で合理的と思われる仮定に基づき按分基準について決定し、環境会計マニュアル、規定等として確定し、これに基づき按分計算します。按分基準としては、環境庁のガイドラインでは、25%、50%、75%が例示されています。また、㈱リコーでは、10%、50%、100%で処理されています(事例 p.179~p.182 参照)。                 全体のコスト 3.重要な会計方針として差額集計方法の記載差額集計には様々な計算方法、配分方法、按分方法が考えられるため、その処理方法を記載することが望まれます。環境保全コスト環境保全コスト
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
財務会計上の売上原価及び棚卸資産原価と、環境保全コストとの関係について教えて下さい。
環境保全活動に関わる支出の一部は、財務会計上は、在庫として残っている製品の原価(以下、「棚卸資産原価」という。)や売上原価に含められていることがあります。例えば、工場の人件費や設備の減価償却費などは、財務会計上、そのままその期の費用として損益計算書に載るわけではありません。それらは、いったん製品原価として集計された上で、その期に販売された部分については売上原価として損益計算書に計上され、売れなかった部分は期末の棚卸資産の原価として貸借対照表に計上されることになります。それでは環境会計ではどのように考えればよいのでしょうか。製品原価になるような費目で環境保全関連の支出があった場合、売上原価に対応する部分だけをその期の環境保全コストとすべきでしょうか。そして売れなかった部分は翌期以降の環境保全コストとして繰り越した方がよいのでしょうか。環境会計を財務会計と一致させようとするとそうなります。しかし、環境会計は財務会計とは本来、別のものですから、両者を無理に一致させようとする必要はありません。財務会計で確立した考え方を援用した方が便利であったり、分かりやすい場合には、環境会計でも同じ方法を採用しますが、売上原価や棚卸資産原価との対応まで考えようとするとかえって煩雑になるおそれがあります。環境庁のガイドラインでも、そのような方法は想定していません。したがって、環境保全活動に関連する人件費や諸経費は、売上原価と棚卸資産原価のどちらになるものも、環境会計上はすべて、その期の環境保全コストに含めればよいと思われます。製品が販売されたか、在庫として残っているかに関わらず、工場での環境保全活動は既に行われているのですから、その費用はその期の環境保全コストにする方が、より妥当であるとも言えるでしょう。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全効果を表現する方法にはどのようなものがありますか。
環境保全効果を表現する方法として、一般には、 ①物量単位の表現、 ②共通単位による表現(貨幣以外)、 ③貨幣単位の表現、 ④指標による評価 の4種類が考えられます。 ①物量単位の表現は、環境負荷のストック(ある時点での蓄積量)やフロー(ある期間内の発生量)を物量単位で測定し、その物量単位のまま表現するものです。この方法は、最も容易ですが、様々な負荷について別々の物量単位を使うので、いくつかの負荷を合計して全体的な負荷を表現することはできません。この限界を克服しようとする試みの一つが、②共通単位による表現です。これには何らかの計数や、具体的な単位の開発が必要となります。海外では、各物質の物量1単位当たりの環境負荷を共通単位に換算するための係数を用いて、この方法で表現している例があります。物量単位の数値をもとに換算する方法のみならず、何らかの質的な評価を点数化し、一つの共通単位で表現する方法もあります。共通単位を貨幣としたものが、③貨幣単位の表現です。しかし、環境保全効果を貨幣単位で評価することは現状では困難で、海外でも物量1単位当たりの環境負荷を貨幣単位に換算する係数を用いた例が以前に見られましたが、現在、継続されている例はないようです。なお、特定の環境保全効果については、貨幣単位で表現される金銭的効果を環境保全効果の代替指標として利用することができます。例えば、省エネ効果を評価する場合は、エネルギーの削減量という物量単位の表現の代わりに、エネルギー費用の節約額という金額単位の表現を用いるといった例がこれに当たります。以上の他に、④環境保全効果を表現する独自の指標を開発し、その指標によって表現する方法があります。環境庁のガイドラインでは、物量指標として代表的なものを挙げていますが、「単純な物量指標による経年変化の表示のみでは企業努力の実態を正しく伝えられない場合がある」とし、補足の比較指標を参考として示しています。日本企業の事例の中にも、指標による表現を用いている例があります。寶酒造㈱(事例p.123~p.126 参照)は、緑字(りょくじ)という独自の指標を開発しており、その環境負荷削減緑字は、物量数値の改善率データに重み付けを加え、指数として算定したものです。また、㈱リコーは、環境改善効率としてのEE(エコエフィシェンシー)値(=環境負荷削減量/環境費用総額)と、環境負荷利益率としてのエコレシオ(=売上総利益/環境負荷総量)を算定しています(事例p.179~p.182 参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境保全対策に伴う経済効果について教えて下さい。
1.経済効果とは環境保全対策に伴う経済効果(以下、「経済効果」という。)とは、環境保全コストを支出したことが当該企業自体にどれだけの効果をもたらしたかを意味します。このような経済効果はエネルギーの節約額など金額的に算定することが可能です。金額での表示なので、様々な環境問題についての専門的な知識が不足している情報利用者にとっても理解しやすいというメリットがあります。また、経済効果の把握は株主や投資家にとっても、よい判断材料になります。また、経済効果の算定・公表は企業のイメージアップになります。 2.経済効果の種類現在考えられている経済効果には大きく分けて次の二つがあります。 ① 確実な根拠に基づいて算出される経済効果(省エネルギー、省資源による節約や有価物の売却による利益) ② 仮定的な計算に基づく経済効果 ②-1 偶発的な経済効果(汚染、訴訟等のリスクを回避したと考えられる偶発利得的効果) ②-2 利益寄与の推定効果(工場の環境保全活動から生み出される付加価値の寄与分)環境庁のガイドラインでは、①を開示することを求めていますが、②は仮定的な計算に基づく経済効果なので、内部利用を想定しています。 ②の経済効果は社内データ的な色彩が強いものですが、自社での統一的なルール(計算方式、単位の統一等)が必要です。例えば、②-1 に関して日本IBM㈱では、防液堤で流出を受け止めたという具体的な根拠に基づいて、費用回避効果として流出改善費の回避と法規制準拠費の回避を算出しています(事例 p.162~p.166 参照)。 ②-2 に関しては、富士通㈱の事例があります(事例 p.142~p.143 参照)。富士通㈱はこれを次に示した計算式により計算しています。環境保全活動の寄与分=付加価値×環境費用/工場費用 3.経済効果の留意点 (1) 環境保全コストと経済効果の差額を損益として表示し、黒字であるとか赤字であるとか論議することは意味がありません。 (2) 経済効果の把握に焦点が置かれることにより、本来の目的である環境保全効果を把握することが軽視されることのないようにする必要があります。 (3)偶発的な経済効果や利益寄与の推定効果は、環境庁のガイドラインでは開示を求めていませんが、あえて開示する場合には、確実な根拠に基づいて算出される経済効果とは区別し、その算出根拠も開示することが必要です。(第2編 p.45 参照) (4) 環境保全コストの分類・計上と、環境保全対策に伴う経済効果の分類・計上とは、なるべく具体的な対応関係が見られることが理想ですが、多くの場合一対一に対応していないことに留意する必要があります。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境報告書に環境会計について記載することにはどのような意義があるのでしょうか。また、環境報告書のどこに記載することが適当でしょうか。
環境会計情報を、環境報告書に記載する企業が増えてきていますが、環境報告書は企業が自主的に作成し、公表するものであり、その記載の意味合いは様々です。実際に公表されている環境会計についての記載は次のように整理できます。 ① 環境会計を環境マネジメントシステム(EMS)のツールの一つとして導入していることの説明(文章)。 ② 環境活動の状況や結果の報告(数値情報)この二つは二者択一的なものではありません。例えば、キリンビール㈱の1999 年版環境報告書では、「マネジメントに関する環境保全への取り組み」の中に、「環境会計」(P.38)の項目が設けられています。そこでは、環境会計の目的としてマネジメントへの活用が掲げられ、その意義として「より実効性のある環境経営に資すること」と同時に、「社外へ公表し、ステイク・ホルダーから信頼を得る」ことが挙げられています。また、環境関連の投資額及び費用、環境保全効果も報告されています。これらは、上記の①及び②の両面をもった記載と言えるでしょう。また、寶酒造㈱は「緑字決算報告書」を公表し、環境活動内容やパフォーマンスを示す独自の指標を公表しています。いずれも、自社の取り組み内容や成果をより効果的に説明するための一手段として環境会計についての記載が行われています。記載に当たっては、環境会計の導入目的との対応に配慮し、全体の整合性を確保することが望まれます。記載場所については、マネジメントツールの一つとして導入している場合はEMSに関する記述の中で、また、指標の公表を目的としているのであれば、それぞれのパフォーマンスの報告とも対応させて記載することが効果的でしょう。なお、環境会計実務というものが成熟していない現在においては、各企業が行っている環境会計の内容や考え方についての説明も必要と思われます。特に、環境保全コスト情報はその多寡をもって判断されがちであり、誤解を避けるためにも、環境保全コスト情報が何を表すのか、といった説明を付加するとよいのではないでしょうか。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境会計情報を収集するための情報システムをどのように構築したらよいでしょうか。
環境会計情報を収集するための情報システムとして検討すべきは、まず、環境会計情報として、どのような情報を対象とするかです。広義に環境会計情報として考えられる情報は、次のとおりです。 ① 環境保全コスト情報(金額) ② 環境負荷情報(物量) ③ 環境保全効果情報(物量) ④ 環境保全対策に伴う経済効果情報(金額)それぞれの情報の収集システムについて、簡単に説明します。なお、環境庁のガイドラインでは②の環境負荷情報は含まれていませんが、後述のようにこれが環境保全効果を把握する上での前提となります。 1.環境保全コスト情報(金額)環境保全コスト情報(金額)については、①一般会計システムに入力された仕訳データから、環境保全コストの識別コードを付加して集計する方法や、②1か月、3か月等まとめて工場や事業所単位で、会計システムとは別のシステムに入力する方法があります。 ①一般会計システムから集計する方法は、入力部署での教育が重要です。また、一般会計システムから環境保全コスト情報を集計する場合でも、固定資産に関する環境保全投資及び環境保全投資額の減価償却費は、固定資産管理システムにプログラムの修正を加えるケースが多く見られます。修正内容は、環境保全コスト識別コードを付加することと、複合投資の場合の差額割合や按分割合を入力できる項目(フィールド)を追加するのが一般的です。環境保全コスト識別コードを付加する場合、コスト分類ごとの集計を容易に行うためのコーディング設計が必要になります。また、複数のコスト分類ごとに共通のコスト等を按分する必要がある場合には、按分計算を行うロジック(配賦計算用算式)のプログラムが必要な場合もあるでしょう。もちろん、これら環境保全投資関連情報も②のように一般会計システムとは別の環境情報システムの構築により行う場合もあります。一般会計システムから環境保全コスト情報を集計するシステムは、環境会計と一般会計との整合性を重視し、かつ、入力の省力化を考えています。 ②の別システムに入力する場合は、まとめて入力できるというメリットがありますが、一般会計データとの直接的なつながりはありません。一般会計システムとは別の環境情報システムの構築を行う場合は、環境経営方針や内部環境会計の管理目的を明確にもち、そのポリシーに従ってシステム構築を行う場合が通常です。 2.環境保全効果情報 (物量)と環境負荷情報 (物量)環境保全効果情報(物量)の把握は、一般的に(前年度環境負荷量-当年度環境負荷量)で計算される場合が多く、場合によっては[前年度環境負荷量×(当年度生産量÷前年度生産量)-当年度環境負荷量]と生産量等により補正して行う場合もあります。いずれにしろ、環境負荷量の把握が前提となります。環境負荷情報(物量)の収集システムの検討は、現状の環境負荷をどのように把握しているかを確認することから始まります。業種により、廃棄物処理管理システムやPRTR管理システムが構築されている場合があります。これらシステムからの出力データの状況や、システム的に収集されていない各種環境負荷データの測定頻度等を把握し、環境負荷データの利用目的に基づき必要とする入手情報や頻度等を検討する必要があります。しかし、その前提として会社の環境経営方針や内部環境会計の管理目的を明確にしておくことが必要となります。その後、一般会計システムとは別に環境情報システムを構築することになりますが、環境経営方針や内部環境会計の管理目的を明確にし、環境負荷情報を集計、分析、評価するシステムを同時に構築する方法と、当面パソコンでの集計やシミュレーションにより行う方法とが考えられます。 3.環境保全対策に伴う経済効果情報(金額)環境保全対策に伴う経済効果情報(金額)は、環境庁のガイドラインでは大きく(1)確実な根拠に基づいて算出される経済効果と、(2)仮定的な計算に基づく経済効果に区分され、(1)については環境会計に盛り込むことを推奨しています。(1)の経済効果としては、環境保全コストに対応した省エネ、省資源や廃棄物処理費の削減額等があります。具体的な計算は、[前年度の特定費用(エネルギー、資源、廃棄物処理費用等)-当年度の特定費用]としたり、それを生産量等で補正する方法[前年度の特定費用×(当年度生産量÷前年度生産量)-当年度の特定費用]が考えられます。(2)は、その効果額の利用目的によっては、内部管理目的の環境会計として重要な意味を持ちます。しかし、その計算方法は、ほとんどが推定計算により実施されますので、パソコンでの集計やシミュレーションで行われる場合が多いようです。経済効果として、どの項目をどのように計算するかを明確に定義し、継続的に把握しようとするなら、一般会計システムとは別に環境情報システムを構築する際に、同時に構築する場合が多いようです。以上をまとめると、まず環境経営方針や内部環境会計の管理目的がすでに明確な場合は、一般会計システムとは別に上記の1から3までの情報を統合的に集計、分析、評価する環境会計情報システムを構築することが考えられます。このような金額情報と物量情報を扱う環境会計情報システムのパッケージソフトの販売も開始されています。また、現時点では、環境保全コストを効率的に集計・公表することに重点が置かれている場合は、一般会計システム(固定資産管理システムを含む)からのデータを活用するために一般会計システムを一部手直しし、②から④の情報については当面パソコンで集計、分析、評価を行い、環境経営方針や内部環境会計目的を明確にした段階で、システム化の検討を行う方法も考えられます。金額・物量両方の環境会計情報は、これを関連づけて収集・分析できるような環境情報識別コードを工夫したり、各情報システム(一般会計システム、固定資産管理システム、給与計算システム、工場の製造システム、物流システム等)が会社の様々な部署に分散して存在していることが多いため、これらを一つの場所(ファイル)に格納して、必要に応じて加工・分析できる環境関連データ用ファイル(データウェアハウス)を構築したりすることも将来的には望ましいでしょう。環境会計が今後どのような発展を遂げるかにもよりますが、システム構築によりかえって将来の選択肢を狭めることになる可能性もありますから、システム構築の時期も十分考慮する必要があります。2000 年6月(予定)から、環境庁のホームページで環境会計支援ソフトウェアを無料でダウンロードできるサービスが開始される予定であり、自社での本格的なシステム構築の前に検討してみるのも良いでしょう。いずれにしても、 ①環境経営方針や内部環境会計目的の明確化、 ②会社の業種から想定される環境負荷の多寡とその種別、 ③現在構築されている環境関連の情報システムや一般会計システムの状況(パッケージかオーダーメイドか)やリプレイスの予定、 ④環境会計ガイドラインの今後の動向、 ⑤構築期間と構築コスト等 により会社で総合的に判断されるべきでしょう。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
企業グループとしての統一的な環境会計の導入のあり方について教えて下さい。
1.なぜ連結で開示するのか環境会計を導入する場合、どの範囲まで集計するのかを決めなければなりません。企業活動の多角化・国際化が進んだ結果、財務会計の分野では、投資家が、企業グループを一つの単位と考え、連結財務諸表を基に判断することが一般的になってきています。また、連結財務諸表には事業部別・地域別に区分したセグメント情報が添付され、様々な観点から企業を分析できるようになっています。環境会計でも事情は同じと思われます。本社には管理的機能しかなく、海外に生産会社、販売会社等を有する企業グループもあり、その場合当該企業の環境保全活動の実態や環境負荷の総体は連結で集計しないと見えてきません。さらに、事業別、地区別等のセグメント情報を載せるなど、様々なステイクホルダーのニーズに応じることも考えられます。ただし、環境庁のガイドラインでは、連結対象範囲での集計が望まれていますが、内部取引の相殺消去等の未解決の問題も多く、今後の実例の積み重ねに委ね、検討課題としています。なお、連結の範囲については、環境庁のガイドラインでは明言されていませんが、地球環境の保全という目的からいえば、現在の財務会計にとらわれずに、環境保全上の重要性に応じた連結範囲の設定もあり得るでしょう。基準としては、例えば、「環境負荷量」や「環境保全コスト額」等が考えられるでしょう。 2.環境会計方針の統一連結ベースで環境会計を集計する場合、まず、それぞれの会社や事業所の基本的な「環境会計の方針」を統一する必要があります。コストや効果の把握(測定)に当たっては様々な方法が考えられ(ここでは「環境会計方針」という。)、企業によってその考え方は異なります。しかし、連結上はグループとして統一的な環境会計方針を採用し、情報の受け手が理解しやすい環境会計を開示すべきでしょう。もし、連結各企業が異なる環境会計方針を採用して集計した場合、それを合算した数字の理解が難しくなります。同じ連結企業グループ内に複合コストの取扱いが異なる企業が存在すると、集計された環境保全コストの分析はできません。また、環境保全コストに含まれる費用の範囲も様々なケースが考えられ、廃棄物にかかる費用など自明なものばかりでなく、環境管理にかかる人件費など、どこまでを環境保全コストとして扱うのか曖昧な費用も多くあります。各企業ではこれらを明確にする各企業の環境会計方針を策定する必要があるでしょう。方針を策定する際には、何が環境保全コストで、何がそれ以外かを環境影響の程度・重要性、コストの多寡などをもとに一つ一つ決定していけばよいでしょう。 3.連結環境会計データの集計方 法次に、どのようにデータを収集するかを考えなければなりません。企業数が多くなってくれば、コンピュータシステムを使用して環境会計情報を収集することも考える必要がでてきます。環境会計情報システムを構築すれば、環境経営に有効なデータを集計でき、それをもって外部公表用環境会計に応用できます。グループで統合された環境会計情報システムの場合、扱うデータの種類と内容を考える必要があります。グループ内の企業でも業態が全く異なるケースも考えられます。メーカーとサービス産業では、環境保全コストの内容も大きく異なることが予想されます。どのような項目を集計するか決定するために、事前に各社の環境活動を洗い出す必要があります。例えば、公害防止コストに関する情報がどの程度詳細に必要なのかは企業の活動実態によって異なるからです。 4.具体的事例(1) IBMの例IBMでは節約効果の見積りに関しては、最初の1年間だけ節約効果を計上するが、2年目以降は厳しく見積り、計上を行わないという方針を全連結サイトで採っています。環境関連修復費用の引当金等は財務諸表に組み入れるため全世界の各国IBMに対して、経理マニュアルや経理規定書で事細かく項目や査定方法を規定しています。また、ISO14001 を全世界の開発・製造事業所を一括して認証する統合認証によって取得していることに見られるように、全世界的な統一的環境管理システムを採用しています。そして、1980 年代後半から環境対応にかかわる支出と節約効果等による利益を独自のコンピュータシステム(EMP(Environmental Master Plan)とCAER(CountryAnnual Environmental Report))を使用して把握しています。EMPは開発製造環境実績計画書といわれ、世界中のIBMの工場、研究所がIBMの世界共通システムによって各サイトの環境情報を提供しています。CAERは各国環境実績報告書といわれ、営業部門や事務部門の環境データを国単位で集計しています。IBM本社は、全世界の事業所から毎年報告されるEMP、CAERデータを集計・分析し、環境施策に活かしています(事例 p.162~p.166 参照)。(2) 富士通の例富士通㈱では国内外主要子会社 138 社を含めた環境会計を公表しています。富士通では環境方針に関し、すべて自社においてガイドラインを策定し、「環境コストの計上においては設備投資を5年定額償却で費用計上する、人件費は環境に50%以上使った場合を対象とし、単価は一律 5000 円/h とする」などのように共通の方針を定めています。集計はアンケート方式を使い、工場・関係各社から経理部門と環境管理部門を通じて行い、効率的な運用を考え、イントラネットで200 を超える工場・関係会社からの質問と回答を全部門が閲覧できるようにしています(事例 p.142~p.143 参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
総合建設業の環境会計の応用について教えて下さい。
総合建設業は、他産業に比べ、次のような特性があります。 ① 事業活動に伴う材料が多種多様であり、かつ、その物量フローが膨大 ② 業界の裾野が広く国内経済に占める比重が高い ③ 実際の建設工事は多岐にわたる職種・メーカー等の協力会社群に発注(材料・労務等)、実施されるなど、重層的な生産構造 ④ 建設工事は個別物件ごとの受注業務であり、それぞれの特性(建築用途、構造、規模、地下の有無、設備仕様、建材仕様、工法等)や地域性が異なる ⑤ 事業活動である建設工事の期間が、製品製造に比べ極めて長期間であり、また、建築物が長期間にわたり社会ストックとなる ⑥ 大規模プロジェクトの場合、JV工事が多い総合建設業による環境保全のための取り組みを、環境会計の枠組みを活用して適切に捉えるためには、環境庁のガイドラインを参考にするとともに、上記のような特性を踏まえた、例えば以下のような配慮が考えられます。 1.建設廃棄物建設廃棄物については、建設工事の作業行程で発生する建設副産物があります。これに関する環境保全への取り組みのためのコストは、「事業エリア内コスト」の「循環資源コスト」に該当します。他方、使用が終了した建物の解体・改修に伴なって発生するコンクリートがら、、等の廃棄物に関する環境保全への取り組みのためのコストは、「生産、販売した製品のリサイクル・回収・適正処理のためのコスト」と同質の内容と考えられるので「上・下流コスト」に該当すると言えます。しかしながら、建設業において、解体工事は、新築・改修工事と同様、実際には建設工事の一つの種別として扱われ、請負企業の事業エリア内で管理され、また、建設工事の前段階の作業として行われていることが一般的であるので、「事業エリア内コスト」の「資源循環コスト」として扱うことが実務的と思われます。環境庁のガイドライン(中間取りまとめ)を分類の基本としている(株)竹中工務店の環境会計(1999 年度)では、「生産、販売した製品の使用・廃棄に伴なう環境負荷低減のためのコスト」を「建物の使用・解体に伴なう環境負荷低減のためのコスト」と読み替えた上で、省エネ・省資源設計などに要したコストのみが集計されおり、解体工事にともなう廃棄物等は「直接環境負荷低減コスト」として扱われています。建設廃棄物については、その物量フローも膨大であり、また法的には、発注者に仕様書への建設廃棄物処理条件の明示と適正コストを確保する責任がある一方で、建設廃棄物の排出者たる元請企業にはその適正処理責任があります。そこで、その処理の内容については、コストの分類方法や処理内容の説明が詳細に記載されることが望まれます。 2.建設プロジェクトへの環境会計の適用総合建設業の特性のところで述べたとおり、各建設プロジェクトごとに、それぞれ固有の特性があり、環境会計として環境保全コストやその効果を把握する際には、特性に応じた把握項目の適切な選択が必要です。建設プロジェクトの実際の施工は、多岐にわたる協力会社群に材料・労務等が発注されるため、実数値の把握に困難を伴なうことが予想されます。この場合、合理的な推定・見積により把握することが有効と言えます。また、建築物は長期間にわたり社会ストックとなるものであり、さらに、建築物の維持・改修・解体までを含めた全ライフサイクルでの環境負荷の評価やコストの評価と建築計画・設計とのバランスが近年重要視されています。そこで、計画・設計段階で個別建設プロジェクトのライフサイクルを通した環境会計を試算してみることも有効と考えられます。この場合、環境会計の把握の対象となる環境保全への取り組み主体が、元請のほか、事業主、建築主、建物使用者等となり、それぞれの環境保全コストやその効果の領域区分が複雑で、集計の重複が予想されます。しかし、プロジェクト全体の全ライフサイクルでの環境会計的な評価情報は、一つの重要な参考情報になると考えられます。一般に、環境会計の集計レベルは、連結・コーポレート・セグメント・事業サイトに分解できますが、建設工事は製品製造と異なりプロジェクトという性格を有しているため、総合建設業の場合は、全社的なコーポレートレベルでの環境会計とは別に、このようなプロジェクトベースでの環境会計を独自に把握し、例えば代表的な特性の建設プロジェクトについての情報等を参考情報として開示することも有用であると考えられます。 3.環境配慮型工事例えば、騒音・振動・悪臭防止などのために建築主から指定され本体工事に組み込まれる費用は、建設会社の工事原価に含まれ、請負又は施工企業ごとによって管理され、環境保全効果を発揮しているものであるため、環境保全コストや環境保全効果等の把握対象となりますが、他方、建築主からの指定という観点を重視し、環境保全コストとして把握する範囲、基準を明確に設定した上で継続的にその基準を用いて処理することも考えられます。公表する場合には、このような処理方法についての説明をすることが望まれます。 4.JV工事JVとしての受注の場合、その幹事会社にならない限り環境保全のための取り組みは間接的にならざるを得ないと言えます。この場合、環境保全コスト及び環境保全効果等を把握する対象プロジェクトを、自社が幹事のプロジェクトのみとするか、あるいは自社が幹事でないプロジェクトをも含めるのか、把握の基準を設け、それを注記すると良いでしょう。 5.環境保全施設等工事顧客に提供される工事の中には、例えば廃棄物処理・処分場の建設や汚染土壌の改善工事といったそれ自体が環境保全に資するものがあります。これらに関する情報を建設会社の環境会計の参考情報として開示することには意味があるでしょう。公表する情報としては、例えば、環境保全施設工事の件数や分類、環境関連施設工事全体の完成工事高や全受注施設工事に占める割合などが考えられます。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
商社の環境会計の応用について教えて下さい。
1.商社の環境会計の特徴商社は、直接的に製造などの活動を行っていない場合が多く、商品の取引、物流、情報や投融資等あらゆる分野で、それらの活動を支援する立場にあります。その意味で、商社による環境保全への取り組みを見るときには、商社自身のオフィス等を中心とした直接的な環境保全への取り組み以外にも、取扱商品、物流、情報や投融資先事業等あらゆる分野で間接的な環境への影響も重要です。このような観点から、商社が環境会計に取り組む場合の特徴として、次のような点が挙げられます。 ・ オフィスを中心とした環境保全コストと環境保全対策に係る効果を把握する。 ・ 商品等の取引を仲介する際に、例えば、環境保全型商品の発掘、販路の確保、環境への影響の評価等のためにかかったコストなど、間接的な影響ながらも環境保全のために支出したコストやその効果を把握する。 ・ 自社が行う製造に関する環境保全コスト、環境保全効果及び環境保全対策に伴う効果は、製造業等に準じて把握する。 ・ 取引先の環境保全事業への投資や融資の額自体は、費用や償却資産ではないために環境庁のガイドラインでは環境保全コストとはならないものの、その額を付記するなど環境会計の応用として工夫することが考えられる。なお、投資の場合は、連結で把握することにより、環境会計の枠内でコストや効果を捉えることが可能(連結については質問 12 参照)。 2.把握 ・公表情報の工夫上記にも関連しますが、商社という業種の特性上の、企業の環境保全への取り組みに対して商社が持つ間接的とはいえ大きな影響力を、現段階での環境会計の枠組みを応用して捉えるには工夫が必要です。環境会計の枠組みについて、現段階の環境庁のガイドラインには、企業自身の直接的な環境保全への取り組みのために支出した「費用」とその効果を対比させようと言う発想が強いからです。ただし、「投資」も環境保全上重要なため把握することとしていますが、これについても費用化される償却資産の取得価額に限定しています。そこで、今後ますます重要になるであろう、商社による環境保全への直接的・間接的影響力を適切に把握し公表していくためには、例えば、連結で把握することによって環境会計の枠内で把握を試みたり、次のような情報を環境会計の補足情報として環境報告書等の中で、他の情報と関連づけながら記載するなど様々な工夫が考えられるでしょう。 ・ 環境保全事業等への投融資額やその全体に占める割合 ・ 投融資先の環境保全事業等の分類やその内容 ・ 環境保全型商品の取扱額や売上全体に占める割合 ・ 取り扱った環境保全型商品の分類やその内容、 他
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
流通業の環境会計の応用について教えて下さい。
1.流通業の環境会計の特徴スーパー・百貨店・コンビニエンスストア等流通業は消費者の消費行動に大きな影響力を持っており、環境配慮型の生活スタイルを推進しえる立場にあります。流通業の事業活動の特徴は、「製造」、「配送」、「販売」を一体的に展開することです。工場や配送センターは取引先となるケースも見られますが、多くの場合、本部が経営政策を支配しています。販売面では直営店のみでなくフランチャイズ方式による店舗も多くありますが、いずれにしても環境配慮型店舗と環境配慮型商品の展開が環境保全上重要です。そこで、流通業の特性を考えた場合、環境庁のガイドラインに示される一般的な記載以外に、以下の点に注意が必要です。まず、環境配慮型商品の取り扱いを拡大することは、社会が流通業に求める主要な環境対策の一つとなっています。したがって、環境会計情報の一環として、環境配慮型商品の売上高などを把握することが望まれます。ただし、その前提として、環境配慮型商品の定義を明確にすることが必要です。また、その情報をより的確に理解するためには、カテゴリー別の分類や売上高全体に占める割合なども同時に示すとよいでしょう。 2.フランチャイズ方式と環境会計の範囲と計算方法コンビニエンスストアの場合、フランチャイズ方式による店舗展開を行っている場合がほとんどであり、直営店を除き、独立した事業者となります。しかし、経営政策の上では「本部」の管理下にあります。環境保全活動面でも「本部」の管理の下、環境配慮型の店舗設計、設備投資が行われるなど、各種の環境保全活動等が展開されています。したがって、店舗を環境会計の対象とすることが妥当でしょう。しかしながら、フランチャイズ店は独立した事業者であるため、直接的に環境保全コストや環境保全対策に伴う経済効果を把握することには困難性があります。しかし、環境負荷量や環境保全効果等の物量把握は、管理下にある面が大きく入手しやすい情報と言えます。環境保全設備投資、店舗経費の環境分を、例えば平均的な店舗をサンプルとして一定の推定計算を行うことが実践的と言えるかもしれません。 3.アウトソーシング方式と環境会計の範囲と計算方法アウトソーシングによる製造工場や配送センターも独立した事業者ですが、経営政策上は「本部」の管理下にあり、環境設備投資、環境保全活動が進められています。よって環境会計の範囲に組み入れることが妥当でしょう。計算上の問題は2と同様の側面があり、2に準じた計算方法が実践的に必要となるでしょう。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
金融業の環境会計の応用について教えて下さい。
1.環境保全への取組から見た金融機関の特性預金や、融資、投資、信託、保険等を扱う金融機関は、他の産業に比べて直接的な環境への負荷が大きいとは言えないため、環境保全への取組の必要性が比較的少ないと思われるかもしれません。しかしながら、金融機関は、融資や投資等を通じた形で取引先に大きな影響力をもっているので、融資や投資等の判断要素の中に取引先による環境負荷や環境保全への取組実態を織り込むことで、その事業活動を環境保全型へと誘導しうる立場にあります。このことは、環境保全に積極的な取引先に対する融資や投資等の場合ばかりではなく、例えば、融資先が環境汚染を発生させ、それにより融資先に浄化費用の負担が生じてその業績が悪化するリスクや担保価値が下落するリスクなど、一般の取引先の信用リスクの中に環境リスクを織り込んでいくことも含まれるでしょう。もちろん、金融機関による環境保全への取組としては、このような融資や投資等の本業を通じた言わば間接的な影響のほかに、本支店などのオフィスを中心に自ら発生させる環境負荷を抑制していく取組等が重要であり、このことは他の産業と同様です。 2.把握 ・公表情報の工夫オフィスを中心とした直接的な環境保全への取組やそのための環境マネジメントシステムの構築、従業員への環境教育等については、環境庁のガイドラインを参照しながらそのコストと効果を把握するとよいでしょう。1で述べた、融資や投資等を通じて取引先の事業活動を環境保全型に誘導していく取組については、現段階の環境会計の枠組みを応用して捉えるには工夫が必要です。これは、質問 14 の商社の場合と同様の問題です。例えば、取引先の環境リスクを評価し判断に織り込むためにかかったコストを分類として独立させたり、環境保全コストや環境保全対策に伴う経済効果とは言いにくいものの環境関連の投融資額やエコファンド販売額などの情報を、環境会計の補足情報として環境報告書等の中で他の情報と関連づけながら記載するなど、様々な工夫が考えられるでしょう。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境ビジネスの環境会計の応用について教えて下さい。
環境ビジネスとは何かについて、確立した定義はありません。ここでは本業そのものが環境保全活動に関連している企業を、環境ビジネスと呼ぶことにします。具体的には環境関連機器の製造、事業として行う廃棄物処理や汚染浄化などの業務、環境関連のコンサルティングなどが考えられます。環境ビジネスの環境会計については、考え方が確立しているわけではなく、環境庁のガイドラインでも今後の課題とされています。例えば、環境保全コストに関しても、本業自体が環境保全活動なので、すべての費用が環境保全コストになるのではないかという考え方もあるかもしれません。  しかし、それでは通常の財務会計と別に環境会計を考える意味がなく、その会社にとっても環境会計を導入するメリットがありません。環境会計の本来の趣旨から考えれば、環境ビジネスの場合も、本業における通常の環境負荷をさらに削減するような取り組みに着目して、それに対応するコストを環境保全コストと捉える方が、より有用であると思われます。例えば、環境機器メーカーが製品の製造段階での環境負荷を削減する、廃棄物処理企業が通常の方法による廃棄物処理で生じていた環境負荷をさらに削減するなどといった取り組みが考えられます。そのような把握の仕方をするためには、本業の環境負荷とその削減をいかに的確に把握するかが、ポイントになります。  もう一歩進めて考えれば、環境ビジネスはそもそも環境保全に貢献することで社会のニーズに応える存在ですから、その活動の成果として、どれだけの環境負荷削減を実現したのかを把握することが、本業を評価する上でも重要になるはずです。その意味では、環境保全効果の把握を中心に置いた環境会計を構想してみるのもよいかもしれません。本業そのものが環境保全活動なので、最初から環境保全コストに着目して、全体の費用や投資の中から環境保全コストを抜き出そうとしても難しいのです。むしろ、環境保全活動が本業だからこそ、まず最初に、どれだけの環境保全をなし得たのかに着目し、それをある程度精緻に把握することを考えてみてはどうでしょうか。そしてそれぞれの環境保全効果に対応した費用や投資として、環境保全コストを捉えていくという方向性も考えられます。もちろん、そのような環境会計の具体的なモデルがあるわけではありません。本業として環境保全に取り組む環境ビジネスだからこそ、率先して、自らにふさわしい環境会計の手法を開発されることを期待しています。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
人件費 を環境保全コストとしてどのように扱いますか。
1.基本的考え方人件費の集計に当たっては、まず集計する人件費の範囲を決定することが必要です。一般に人件費と言われているものの中には、給与、賃金、役員報酬、賞与、賞与引当金繰入額、諸手当、雑給、退職金、退職給与引当金繰入額、退職慰労金、法定福利費等が含まれます。人件費の集計方法については、一般的に環境保全活動に専従している場合、その人件費全額が環境保全コストとなります。他の業務を行いながら一部を環境保全活動に従事している場合や、複数の分類にまたがった環境保全活動を行っている場合には、3に示すような人件費の按分計算が必要となります。 2.環境庁ガイドライン環境庁ガイドラインでは、人件費を環境保全コスト6分類の各々ごとに集計することとしています。すなわち、各環境保全活動に取り組んだ実務担当者の人件費を各々の活動ごとに集計することとしており、添付資料の内部集計用表の例にも人件費という欄が用意されています。 3.人件費の按分計算方法環境保全コストとしての人件費は、環境保全活動に関わる作業量を集計するか又は一定期間の労働時間配分比率などを基に見積り、これに人件費単価を乗じて算出します。作業量は日数や時間単位での集計が一般的です(人日や人時)。これに1 日当たりや1時間当たりの人件費単価を乗じて算出します。人件費単価は年間総人件費を年間総稼働日数又は総稼動時間で割って算出します。時間集計はかなりの作業を伴いますので、ある割合(25%、50%等)を使用する簡便法も考えられます。この場合には環境保全活動の実態に応じた割合を使用することが望ましいでしょう。人件費単価も個人別ではなく職責ごとの平均給与を用いた単価や、部門の平均単価を使用するといった簡便法も可能です。採用した集計・按分方法は、報告書に記載することが望ましいでしょう。集計の一般的なステップを次に示します。 ① 人件費の集計範囲を決定する。 ② 環境保全活動に関わる部門・人を確認する。 ③ 作業量を集計する際の単位(人日や人時、あるいは簡便法による割合%)とコスト分類を決定する。 ④ 担当者の環境保全活動に関わる作業量(工数)を分類ごとに集計する。 ⑤ 作業量単位当たりの人件費を計算する(個人別、あるいは職責ごとの平均又は部門ごとの平均) ⑥ 集計された作業量に人件費を乗じて算出する。 4.集計作業負荷の大きさと準備上記の按分計算を手作業で行うにはかなりの作業負荷を伴いますので、まず簡便法から採用してみることもよいでしょう。また、通常の原価計算用や給与計算用に使用する業務日報や時間集計の仕組みに、あらかじめ集計分類を組み込んでおくことによって改めて集計する負荷を小さくすることができます。この準備ができていない場合には、集計の作業負荷はかなり大きくなりますので、実際には環境会計に人件費を集計していない企業もあります。人件費を環境会計に集計しない場合には報告書にその旨を記載することが望ましいでしょう。 5.具体的事例例えば、㈱西友の場合には、環境マネジメントシステムの構築をしている部門は、その部門長やワーキングメンバーの申告により費やした時間の集計を事務局で調整しています。職務等級ごとの平均人件費をかけて本社部分の人件費とし、店舗では指示作業の消化想定時間を集計し、同様に職務等級ごとの平均人件費をかけて算出しています(事例 p.197~p.199 参照)。松下電工㈱の場合には、人件費は業務時間比率で按分しています(事例 p.159~p.161 参照)。また、松下電器産業㈱の場合には、基準人件費を用いて、環境に関わった時間で按分集計しています。ここで基準人件費とは、損益計算書に計上されている人件費の職責ごとの平均値を指します。また、環境に関わった時間の具体的な按分集計方法は、例えば、環境関連で研究開発プロジェクトチームを編成する場合は、年間に占めるその期間で按分し、施設管理、総務職能等で環境の仕事と他の仕事を兼務している場合は、環境の仕事に関わっている時間で按分集計します。この場合に特に日報等で業務内容分析を行っているわけではなく、各職場の申告に基づきます(事例 p.144~p.149 参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
会計上の引当金、未払金等と環境保全コストの関係について教えて下さい。
物品を購入したりサービスの提供を受けたりして、その支払額が確定している場合、通常は未払金を計上します。また、支払は確定していない場合でも、退職金の支払いや将来の修繕などに備えて引当金を計上することがあります。引当金の要件は、財務会計上は、「将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合」とされています。引当金、未払金等を計上するということは、それらに対応して費用を計上するということですが、その費用を環境保全コストに含めるかどうかには、次のようないくつかの考え方があります。 (1) 財務会計上、費用に計上したときに環境保全コストにするという考え方これは環境保全に関する経営上の意思が明確になった時点を重視する考え方と言えます。この場合、すべての未払金、引当金が環境保全コストになります。 (2) 実際に環境保全活動が行われた時に環境保全コストにするという考え方これは実際の環境保全効果が生じているかどうかを重視する考え方です。この場合、修繕引当金などは環境保全コストに含まれないことになります。 (3) 支出があったときに環境保全コストにするという考え方これは実際の資金の配分を重視する考え方です。他にも様々な捉え方があり得ますが、上記の三つの捉え方を表にすると次のとおりです。 環境保全コストの捉え方会計上の処理 財・サービス当期の計上費用(1)実施された保全活動の指標(2)支出額(3)未払金 提供済 ○ ○ ×未払費用 提供済 ○ ○ ×退職給付引当金(注 1)提供済 ○ ○ ×特別修繕引当金(注 2)提供未了 ○ × ×汚染浄化引当金(注 3)提供未了 ○ × × ○:環境保全コスト   ×:環境保全コストには含めない(注 1)労務の対価として、支給対象期間にわたり計上される。(注 2)定期的な大規模修繕工事に備えて、修繕までの期間にわたり計上される。(注 3)汚染浄化義務を課せられ、支出の可能性が高い場合に計上される。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
財務会計上の準備金と環境保全コストの関係について教えて下さい。
租税特別措置法上の準備金や特別法上の準備金であっても、実質的に引当金の要件に該当するものは、財務会計上、当然に引当金として取り扱われ、費用処理により負債の部に計上することが妥当です。この場合には、環境保全コストに関しても質問 19 に準じて考えて下さい。一方、財務会計上、引当金の要件に該当しない租税特別措置法上の準備金については、利益処分方式により資本の部へ計上します。この場合には、税法上の準備金であることが明確に判断できる名称を付す必要があります。税法上の準備金であるか否かが不明瞭な名称のものは、税法上の準備金である旨を注記しておくことが適当です。なお、法令の規定によらず、会社が任意で積立てる準備金がありますが、引当金の要件に該当しない利益留保性のものについては、同様に利益処分によって積立てることになります。例えば、廃棄物の最終処分後の地下水汚染等について、浄化義務が明確ではなく金額の合理的な算定もできないが、将来の予想される支出に備えるため利益を留保する場合には、利益処分方式による積立を行います。環境会計上は、このような利益留保性のものは、経営意思は明確であっても、費用、損失処理することは適切でなく、実際に環境保全効果が生じる会計期間に環境保全コストに計上すべきと思われます。特別法上の準備金のうち、引当金の要件に該当しないものであっても、特定業種の公益性の観点から、その計上が特別の法令で強制されており、またその繰入及び取崩しの条件が定められている等の場合には、その事情を考慮して、例外的に引当金として扱われるものもあります。(参考)準備金の種類企業会計上、準備金と名がつくものは、商法上の法定準備金(資本準備金・利益準備金)と、租税特別措置法上の準備金、特別法上の準備金、会社が任意で積立てる準備金があります。 ① 商法(計算書類規則)上の法定準備金資本準備金…資本準備金には、株式払込剰余金、減資差益、合併差益が含まれる。(商 288 の2)利益準備金…利益準備金は、資本の4 分の1に達するまで毎決算期の利益処分として支出する金額の10 分の1 以上及び中間配当の10 分の1を積立てなければならない.(商 288) ② 租税特別措置法上の準備金租税特別措置法上の諸準備金には、時限措置のあるものを含め、以下のようなものがあります。 ・ 海外投資等損失準備金(措法 55) ・ 特定災害防止準備金(措法 55 の6・55 の7・55 の8) ・ 計画造林準備金(措法 56 の3、措令 32 の11) ・ プログラム等準備金(措法 57、措令 33) ・ 異常危険準備金(措法 57 の5・57 の6、措令 33 の5⑤・33 の6) ・ 特別修繕準備金(措法 57 の8) ③ 特別法上の準備金特定の業種について、税法以外の特別の法令によって計上することが強制されている準備金に、以下のようなものがあります。 ・ 渇水準備金(電気事業法) ・ 異常危険準備金(保険業法) ・ 証券取引責任準備金(証券取引法)
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
研究開発費の集計方法・開示方法について教えて下さい。
事業戦略と深く関わりのある研究開発費については、財務会計上、非常に重要であるため、会計処理基準、企業情報の開示方法等に多くの配慮がなされています。環境会計上も、事前対策的なコストの典型である環境研究開発費は、企業の環境配慮経営を判断する上で重要な情報となっています。 1.財務会計上の研究開発費の会計処理と開示1998年3月13日に企業会計審議会から公表された「研究開発費等に係る会計基準の設定に関する意見書」及び「研究開発費等に係る会計基準」を受けて、1999年3月31日に日本公認会計士協会より「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」が公表されました。1999年度から新基準による会計処理が実施されています。この新基準により、研究及び開発の定義が明確になり、研究開発費は発生時には将来の収益を獲得できるか否か不明なため、資産計上するのは適当でないとの判断で、発生時に費用処理することとなりました。また、研究開発目的の設備投資等で汎用性のあるものは固定資産に計上されますが、特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置や特許権等を取得した場合は、取得時にその原価を研究開発費として費用処理することとされています。 2.環境会計に集計される研究開発費の考え方 (1) 投資か費用か環境会計上、環境保全コストとなる研究開発費は、将来の環境負荷削減に効果のある、新技術、新生産工程、新製品、新サービス、新システム等の研究開発に関わるものです。投資的性格のものですが、その環境保全効果が必ず発揮されるか、どのくらいの期間にわたって環境保全効果が及ぶものか定かではありません。また、経営計画上、毎期事業規模等に応じて一定割合計上していることが多く、財務会計との整合性も配慮すると、環境保全コストとしては、最終的には「投資」と「費用」のうち「費用」として処理することが一般的といえます。環境庁のガイドラインでも、原則として費用額として扱うとされています。一方、投資的性格を重視して投資として処理することも考えられますが、この場合には、環境保全効果が確実に将来に及ぶかどうかが吟味されるべきでしょう。また、この場合その旨等を注記することが、前述の方法との相違を明確にする上で必要でしょう。 (2) 具体的な集計上の留意点解釈次第ではほとんどの研究開発が、何らかの形で多少なりとも環境保全効果を持つ可能性もあると考えられ、按分集計には困難が伴います。集計については、以下のような方法が考えられます。 ① 主目的が環境保全であるもののみ全額集計し、それ以外は集計しない。 ② その研究開発目的のうち、環境保全目的が占める割合について、25%、50%、75%、100%等の一定の基準を設け、一番近いものを当てはめて集計する。 ③ 企業側で按分の根拠が明確なものは、理由とともに明らかにする。 ①の方法については実務上最も簡便と考えられますが、環境保全が付随的な目的である研究開発がほとんどの場合には、実態を正しく表さない恐れがあり、これを適用する場合には実態との関係を検討する必要があります。本来は③の方法が望ましいのですが、現実には按分根拠が必ずしも明確でないものも多いと考えられるため、実務上は②のような方法も便宜的に用いることも適当でしょう。いずれの方法を取るにしても、その集計方法を情報の受け手に対して明らかにすることが重要です。 3.研究開発費の集計の事例例えば、富士通㈱は、研究開発費として、富士通1億円、主要子会社2億円を計上しています。集計方法については、「工数、費用は50%以上が「環境的」と判断したものを計上」しています(事例 p.142~p.143 参照)。日産自動車㈱は、直噴ガソリンエンジンを例に取り、『「直噴ガソリンエンジンの開発費はすべて環境保全コストである」という考え方も可能です。しかし、一方では直噴ガソリンエンジンは「環境と走りの両立」を目指して開発し、動力性能の向上も達成しているため、開発費のうち動力性能向上のためのコストも何割か含まれると考えることもできます。したがって、今年度は可能な限り環境保全を目的としたコスト、例えば、直噴ガソリンエンジン性能確認実験において、主目的が燃費、排気、車外騒音であるものを抽出し、それらにかかった費用を積み上げました。』と説明しています(事例p.169~p.170参照)。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
経年比較の意義と留意点等について教えて下さい。
1.経年比較等の意義当年度の環境会計情報のみでは、当年度の環境保全コストや当年度の環境保全効果、経済効果の状況などしか分からず、情報の受け手のニーズに十分に応えているとは言えません。そこで経年比較等が必要になります。前年度や基準年度の数値との比較ができるようになれば、環境保全への取り組み状況やその効果をより適切に評価することが可能となるからです。 2.経年比較等の留意点(1) 経年比較により環境会計情報の算定根拠が統一的なルールに基づかない点を補える環境会計情報(環境保全コスト・環境保全効果・経済効果)の算定根拠は、各企業が独自に設定したものなので、単年度の情報では環境会計情報を適切に評価することが困難です。企業独自の基準で作成された環境会計情報であっても、同一の算定基準を継続的に適用したものを経年比較することによって、環境会計情報の内容を適切に評価することが可能になります。(2) 環境会計情報だけの経年比較ではなお不十分である環境会計情報だけを経年比較しても、必ずしも企業の環境保全への取り組みやその効果を正しく評価できるとは限りません。例えば、当期に一部の工場を閉鎖したような場合には、実際にはほとんど改善が進んでいなくても前期と比べて環境パフォーマンスが大幅に改善されたように見えることがあり、このような問題点に対処するためには、経年比較情報の注記として当期の業績や重要事項について記載する必要があります。 3.環境庁ガイドラインの公表用フォーマットを有効に活 用した経年比較環境会計情報として、経年比較を入れてどのように開示するかについては、環境庁ガイドラインにある公表用フォーマット例を有効に活用することが考えられます。このフォーマット例では、前年度の環境会計情報を記載する形式にはなっていません。これは、環境庁が、まず当年度の環境保全コスト及び効果を把握することを優先したためです。環境会計の情報の受け手が経年比較しやすいように、例えば、前年度の情報や前年度との増減情報を付記するなどの工夫が考えられるでしょう。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境会計を導入し公表する場合のスケジュールとポイントを教えて下さい。
実際の環境会計導入のスケジュールは、各社の実情に応じて自由に考えて良いものですが、以下に参考までに典型的なケースを示します。1.事前準備の開始から経営意思決定事前準備段階の主要なポイントは以下のとおりです。 (1) 環境会計導入の基礎が形成されているか(準備も含む。)環境報告書等の作成/環境マネジメントシステムの構築 /情報処理システムの構築 (2) 環境会計構築上想定される問題点 環境会計に必要な情報と部門の関係の調査 (3) 先進的導入企業の調査導入期間/導入人件費/導入コンサルティング費用/発生した主要な問題と解決法 (4) 環境会計に関するその他の参考情報の収集業界団体、コンサルティング会社の調査/競合他社 (5) 環境会計構築に向けた提案書・予算計画メリット・デメリット/必要性/予算期間/組織体制 2.横断的な組織体制の確立コアメンバーとなる部署は一般的には、環境部署、経理部署、情報システム部署です。コアメンバーの周辺に、経営企画部署、設備予算・購買管理部署等広範な部署の支援体制が必要です。 3.設計図の確定最も重要な段階です。会社の業種・規模・利害関係者等を勘案して環境会計のフレームワークや、基本的なコンセプトの確定をしていきます。 (1) 目的社会的責任の履行/環境マネジメントの質の向上/環境パフォーマンスの改善 /経営計画・予算管理に利用/コスト削減、等 (2) 環境会計導入期間・開示時期の決定 (3) 対象範囲の決定初年度は、基本的な骨格を作ることに専念し、対象範囲 を絞り込むことが実践的です。 (4) 計算体系・認識・測定の範囲と方法の決定 ・ 採用する環境会計の枠組みの決定(計算書の種類等) ・ 認識・測定の基になる基準の策定(参考とするガイドライン、事例の決定) ・ 認識・測定の手順の決定(情報収集方法、情報収集部署、責任者) <参考例>環境投資・減価償却費;設備予算部署、予算管理台帳、固定資産管理台帳環境保全コスト、環境損失;各部門、経理帳票人件費;人事部門の補助元帳環境負荷情報;廃棄物・リサイクル業者管理部署、業者作業報告書生産管理部署、エネルギー使用月報、等 (5) 環境会計の導入のための年次計画4.自社の集計基準、集計手順書、集計帳票の作成 (環境会計のシステム規定)事務局が中心となり作成し、各担当部署の意見を聴取し、集計過程を通して適宜改訂していくことになります。 5.集計の指示、実施、教育 ・問題点の共有化集計実施過程で発生した具体的な疑問点や問題点を具体的に解決していく過程で、自社にふさわしい環境会計システム構築に向けたノウハウが蓄積されます。 6.信頼性の確保環境情報の信頼性の確保に関しては、何らかの手当てが必要となります。環境庁のガイドラインでは「将来の検討課題」とされています。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
環境会計の読み方のポイントを教えて下さい。
1.環境会計導入の背景環境保全活動の経緯や環境情報開示の経緯について、環境報告書の他の記載箇所との関係で読み取っておくと、その企業における環境会計の必要性、構築の過程が理解できます。 2.環境会計導入の目的目的に、企業の意思が反映しています。計算体系、開示項目等はその目的によって異なってきます。 3.環境会計の基本的枠組み (1) 対象範囲環境会計情報の把握対象範囲が連結の場合、どの範囲までの企業を連結の対象としているのか、内部取引の相殺等の問題にどのように対応しているのかがポイントとなります。また、読み手への配慮から、国や地域、事業、サイトの別に情報を開示している場合もあります。ただし、国により環境法規制等に差異があり得ることに留意する必要があります。 (2) 主要な計算項目環境負荷、環境保全効果、環境保全コスト、経済効果、環境経営指標等各種の計算がなされています。それぞれ役割や機能が異なりますので、これらの計算がどのように組み立てられているかに留意することが望まれます。 (3) 環境保全コストの分類環境庁のガイドラインに沿って分類している企業が多いようですが、目的により様々な分類があり得るので、企業の考え方を知る上で興味深いものがあります。環境保全コストの読み方については、質問2を参照して下さい。 (4) 集計処理方法選択する余地のある処理方法がいくつもあり、単純に企業間比較ができません。財務会計上の「重要な会計方針」に当たるものです。以下の項目は処理方法、継続的な適用、より精度の高い方法への改善等を注意深くみていくことが大切です。 ・ 差額集計・複合的なコストの集計方法 ・ 人件費の集計方法 ・ 設備投資と減価償却費の集計方法 ・ 研究開発費の集計方法(5) 環境保全効果の読み方環境保全効果は、環境負荷の総量やその削減量などで見ることになりますが、事業内容、企業規模、業績、過去の環境対策の進展状況などを総合的に判断することが必要です。 (6) 環境保全対策に伴う経済効果の読み方単純に、赤字か黒字を見るのではなく、企業規模、環境保全効果との関係等を総合的に見るとともに、経済効果に含まれるものの性格や算定根拠を踏まえながら、効果、効率等を判断することが大切です。 (7) 情報の信頼性情報の信頼性の確保がされていることは、読み手にとって安心感があります。また、環境会計情報の重要度に対する企業の認識の高さを表していると言えます。 (8) その他の情報汚染浄化引当金、罰金・科料、環境関連訴訟等の情報は、読み手の関心を意識した作成姿勢を判断することができます。
環境省
https://www.env.go.jp/content/000067178.pdf
「地球温暖化対策のための税」が導入されるということですが、どういうものですか。
「地球温暖化対策のための税」は、税制による地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していく観点から導入するものです。 具体的には、原油やガス、石炭といった全化石燃料に対して、CO2排出量に応じた税率を課すものです。 (参考)「地球温暖化対策のための税」について [PDF 209KB]
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
経済状況も厳しい中、なぜ、今、「地球温暖化対策のための税」を導入しなければならないのですか。
地球温暖化の防止は人類共通の課題であり、あらゆる人に利益をもたらすものです。従って、そのための負担は、エネルギーを利用する方全体で幅広く公平に担っていくべきと考えています。 こうした「受益と負担」の関係に着目し、温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO2の原因をもたらす全化石燃料に対し、「広く薄く」公平にCO2排出量に応じた課税を行うこととしました。 もちろん、現下の経済情勢を踏まえ、急激な負担増を避けるために、施行から3年半で段階的に実施していくこととしているほか、特定の分野、産業の負担増に配慮した免税や還付措置、導入に伴う各種の負担軽減措置なども、あわせて行うこととしています。 また、税収を、産業・民生・運輸といった広範な分野への効果的な地球温暖化対策に活用し、新たな需要・イノベーションを喚起することも期待できると考えています。
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
「地球温暖化対策のための税」の導入による経済への影響はどのくらいあるのですか。
研究者による地球温暖化対策のための税を導入した場合のGDPへの影響は、3年半かけて税率を引き上げる過程で、-0.04%~-0.1%程度と試算されています。 また、税の導入に当たっては、エネルギー使用量の多い業種や地域においては、特に負担が重くなってしまうため、特定の分野・産業の負担増に配慮した免税・還付措置のほか、燃料の生産・流通や、物流・交通、過疎・寒冷地に係る支援策を実施することとしています。
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
「地球温暖化対策のための税」の導入によって、家計の負担はどの程度増えるのですか。
「地球温暖化対策のための税」を導入した場合、施行から3年半を経た最終的な時点(平成28年度~)で、現在と比較すれば、月約100円程度のご負担になると試算されています。 ただし、これは、施行から3年半かけて実施されていくものであり、例えば、平成26・27年度については3分の2(月約70円)程度と考えられます。 また、「地球温暖化対策のための税」の導入に伴って実施される、ガソリンや軽油等に関する負担軽減策について考慮していない試算であることにも留意が必要です。 さらに、「地球温暖化対策のための税」の導入を機に、ライフスタイルをエコなものに見直していただくことで、税によるご負担は軽減されますので、ご家庭や職場でも、これを契機として、エコスタイルを実践していただければ幸いです。 (参考1)身近な地球温暖化対策 ~家庭でできる10の取り組み~(環境省作成)より ☆冷房の温度を1℃高く、暖房の温度を1℃低く設定→ 年間約33kgのCO2の削減。年間約1800円の節約。 ☆ジャーの保温を止める→ 年間約34kgのCO2の削減、年間約1900円の節約。 ☆1日5分間のアイドリングストップを行う→ 年間約39kgのCO2の削減、年間約1900円の節約。
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
「地球温暖化対策のための税」の導入によって、温室効果ガス削減の効果はあるのですか。
地球温暖化対策税によるCO2削減効果としては、主として、[1]「価格効果」:課税を通じたCO2の排出抑制効果と[2]「財源効果」:税収をエネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策に活用することによるCO2削減効果の二つが見込まれます。 このほか、税施行前の排出抑制効果(事前アナウンスメント効果)や税導入により国民各層に普及がなされ地球温暖化対策への意識や行動変革を促す(シグナリング効果)といった[3]「アナウンスメント効果」などが考えられます。 このうち、地球温暖化対策税による価格効果と財源効果について、試算したところ、2020年において1990年比で約-0.5%~-2.2%のCO2削減効果、量にして約600万トン~約2400万トンのCO2削減が見込まれます。 加えて、税の普及効果により追加的な取組みが行われることで更なるCO2削減効果が期待できます。また、産業・イノベーションの誘発効果として低炭素の技術・取組みが経済社会全体に浸透することによるCO2削減効果も期待されます。
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
「地球温暖化対策のための税」による税収は、どのように使われるのですか。
地球温暖化対策税の税収は、初年度(平成24年度)391億円、平年度(平成28年度以降)2623億円と見込まれています。 この税収を活用して、省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などのエネルギー起源CO2排出抑制の諸施策を着実に実施していくこととされており(第4次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)[PDF 1162KB]p.75参照)、例えば、リチウムイオン電池などの革新的な低炭素技術集約産業の国内立地の推進、中小企業等による省エネ設備導入の推進、グリーンニューディール基金等を活用した地方の特性に合わせた再生可能エネルギー導入の推進等の諸施策が行われることとされています。 (関係リンク) 環境省関連のエネルギー起源CO2排出抑制施策 経済産業省の予算に関する情報(リンク:経済産業省)
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
環境税は、諸外国でも導入されているのですか。
欧州諸国を中心とした諸外国では、1990年代以降、燃料などのCO2排出源に対する課税を強化し、価格メカニズムを通じたCO2排出の抑制や企業による省エネ設備導入の支援などを行う施策が進められています。また、2012年には、オーストラリアで排出量取引制度に移行することを前提とした炭素価格付け制度も創設されています。
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
今後の税制全体のグリーン化の推進の取組はどうなるのですか。
第4次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)[PDF 1162KB]においては、「税制については、諸外国の状況も含め、エネルギー課税、車体課税といった環境関連税制等による環境効果等を総合的・体系的に調査・分析することにより、税制全体のグリーン化を推進する」こととされています。(p.38参照) 環境省としては、第4次環境基本計画に基づき、持続可能な社会を構築するため、低炭素・循環型・自然共生など幅広い環境分野において税制全体のグリーン化を検討・推進し、公平で効率的な税制の実現に努めてまいります。 (関係リンク) 我が国の環境関連税制 [PDF 413KB] 税制全体のグリーン化推進検討会
環境省
https://www.env.go.jp/policy/tax/faq.html
みちのく潮風トレイルとは?
みちのく潮風トレイルとは、青森県八戸市から福島県相馬市まで、太平洋沿岸をつなぐ、歩くための長いながい道です。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
ロングトレイルとは?
トレイルとは、森林や原野、里山などにある「歩くための道」のことです。ロングトレイルとは日本語で言うところの「長距離自然歩道」です。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
みちのく潮風トレイルの特長は?
このトレイルの最大の特長は、東北太平洋沿岸ならではのダイナミックな海を中心とした山や里などの美しい景観に富んだコースにあります。トレイルを歩きながら採れたての海の幸を味わったり、地域の人とのふれあいをとおしてその土地ならではの暮らしや文化に触れることができます。また、津波の痕跡といった自然の脅威を目にすることで、自然が私たちにもたらす豊かさと厳しさの両面を感じることができます。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
スタートとゴールはどこですか?
北の玄関口は青森県八戸市の「蕪島」、南の玄関口は福島県相馬市の「松川浦」です。どちらもスタートであり、ゴールです。次第に暖かくなる春は北上する人が多く、次第に涼しくなる秋は南下する人が多いです。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
現在の開通区間は?
令和元年6月に青森県八戸市の「蕪島」から福島県相馬市の「松川浦」まで全線が開通しました。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
みちのく潮風トレイルにはどんな種類の道がありますか?
みちのく潮風トレイルは既存の道をつないでルート設定をしています。そのため、探勝路や登山道のような自然歩道や、アスファルトの舗装路、砂浜、芝生、古道、断崖の隧道など、道の種類はとてもバリエーションが豊かです。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
トレイルを歩くのに許可は必要ですか。
許可は必要ありません。
環境省
https://tohoku.env.go.jp/mct/guide/faq.html
室内で鉢植えの草花を植えることにも許可が必要なのでしょうか。
必要ありません。 今回の改正で規制対象となる「木竹以外の植物を植栽し、又は植物の種子をまくこと」とは、これらの行為によって野外での植物の繁殖、生育が可能となるものを指します。このため、建物内の鉢植で植物を栽培するような行為については、許可は必要ありません。 なお、この「植栽する」には、根の付いた植物や球根等の繁殖器官を植ること、挿し木又は挿し芽を行うこと、水草を繁殖可能な状態で湖沼等に放つこと等も含まれます。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
介助犬を連れて入ることはできないのでしょうか。
介助犬を連れて入ることはできます。 介助犬については、飼い主との間でリードにつながれたままですので、法律上禁止されている「放つこと」にはあたりません。 今回の改正で規制対象となる「動物を放つこと」とは、人間の管理下を離れて自由に行動し得る状態に置くことを指します。従って、動物を鎖やリードにつないだまま連れ歩く、建物内に閉じこめて飼養する等により、当該動物が直接的に人間の管理下におかれ、行動の自由を制限されている場合は、規制の対象とはなりません。 動物が「人間の管理下を離れて自由に行動し得る状態に置かれている」か否かは、当該動物の性状、動物を放つ態様及び目的等を総合的に考慮し、特別保護地区における景観の維持に実質的な影響を及ぼすおそれのある行為か否かで判断することとなります。例ば、良く訓練された介助犬のリードを一時的に手放し、介助犬を飼い主の近くで休ませているような場合は「放つ」には当たらないと解釈されます。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
リードをつけてあれば、ペットの持ち込み(犬連れ登山等)はしても良いのでしょうか。
罰則の対象にはなりませんが、地域のマナーは尊重してください。 今回の改正により規制される行為は「動物を放つこと」であり、「持ち込むこと」を罰則つきで禁止するものではありません。 しかし、国立・国定公園の山岳部などでは、以前より他の公園利用者や野生動物への配慮からペットの持ち込みの自粛を要請している地域もあります。今回の改正により、このような取扱いが変わるものではありませんので、以前同様、御理解と御協力を御願いいたします。 なお、マナーの問題に留まらず、ペットを連れての公園利用を罰則をもって制限する必要が生じた場合は、自然公園法第15条に基づく利用調整地区の指定等により対応することが考られます。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
いわゆる「キャッチ&リリース」の取扱いはどうなるのですか。
キャッチ&リリースにより動物を放つことについては、許可は不要です。 これは、「捕獲した動物を捕獲後直ちに当該捕獲をした場所で放つこと」について、自然公園法施行規則第13条の規定により、許可を要しない行為とされています。 なお、今回、不要許可行為となるのは、放つ行為だけであって、動物を捕獲する行為については、あくまでも自然公園法の規定に適合していることが必要です。御注意ください。 また、魚介類については捕獲自体も不要許可行為とされていますので、魚釣りとして行うキャッチ&リリースについては特段の手続は不要です。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
水産資源の保護のため、さけ・ますの稚魚の放流事業を実施していますが、これも禁止になるのでしょうか。
農林水産大臣又は道県知事が定める計画に基づいて実施しているものであれば、許可は不要です。 水産資源保護法第20条第1項の規定により農林水産大臣が定める人工ふ化放流に関する計画又は道県知事が定める人工ふ化放流に関する計画に基づき、さけ又はますを放流することについては、自然公園法施行規則第13条において許可を要しない行為として規定されています。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
渓流釣り用の魚を放流していますが、これも禁止になるのでしょうか。
第一種共同漁業又は第五種共同漁業に係る共同漁業権が設定されている水面において、漁業の免許を受けた者実質上、漁協等に限られる。が当該漁業権に係る水産動植物を放ち、植栽し又はまく場合に限り、許可は不要です。 漁業法第6条第1項に規定する漁業権同条第5項第1号に規定する第一種共同漁業又は同項第5号に規定する第五種共同漁業に係るものに限る。の存する水面において、漁業の免許を受けた者が当該漁業権に係る水産動植物を放ち、植栽し又はまくことについては、自然公園法施行規則第13条において許可を要しない行為として規定されています。 従って、漁業の免許を受けていない一般の人が、魚を放流した場合は違法となりますので御注意ください。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
登山者の靴や持ち込まれる物資に付着して動植物が持ち込まれることは規制されないのでしょうか。
非意図的な導入については、規制対象とはなりません。 今回の規制対象は、意図的に特別保護地区内で動植物を放出する行為です。このため、非意図的に持ち込まれるケースについては規制の対象行為とはなりません。 しかしながら、非意図的に持ち込まれた動植物による被害も生じていることから、特別保護地区を訪れる利用者や事業者の皆さんは、非意図的導入の防止に向けて、靴や器材等の洗浄を事前に行うなどの御協力を御願いいたします。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
特別保護地区だけでなく、特別地域での規制は実施しないのですか。
今回の規制は、もっとも厳正な保護規制を有する地域から優先的に対策を実施していこうとするものです。 特別保護地区以外の地域については、今後、今回の改正による規制の効果も踏まつつ、効果的な対策のあり方を検討していくことにしています。
環境省
https://www.env.go.jp/nature/park/rel_ctrl/03.html
改築にこの補助は使えるのか?
新築・改築の区別はありません。省エネルギー設備として次世代省エネルギー基準性能の断熱材の使用、3kW 以上の太陽光発電システム、高効率給湯器の3種類の設備のセット導入が補助の要件です。ですから、改築・改修工事で窓枠や壁の更新に一定以上の性能の設備を導入し、新たに3kW 以上の太陽光発電を設置し、更に高効率給湯器を設置すれば、補助対象となります。
環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/koubo_4/faq.pdf
環の匠住宅ネットワークとはなんですか?
この事業は、二酸化炭素排出量を効果的に抑制するために全国の地域毎で予定件数を定めて、合計1000戸の個人の住宅へ省エネルギー設備を導入促進するために実施しています。ですから、設備を付けて終わりとするのではなく、その効果を設置者どうしで情報交換するとともに、対外的に発信していただけるような仕組みとして、インターネット等を利用して皆さんの間で「環の匠ネットワーク」から省エネルギー住宅に関する情報発信をしていただくというものです。ネットワークの具体的なイメージとしては次のようなことをかんがえています。補助を受けた皆様には、電気、ガス、水道、灯油などの月毎の消費量や太陽光発電、高効率給湯器、複層ガラスなどの機器の使い方に関する気づき(工夫、発見)の点などをインターネットまたはFAX で環境省に情報提供していただきます。また、ネットワークに自由投稿欄を設け、家庭における省エネの工夫なども皆様に自由に情報提供をいただいたり、ネットワーク間で情報のやりとりができるようにすることも考えています。これらの活動にあたっては、個人情報の保護を確保する必要があると考えています。なお、仮に導入された機器等が故障した場合などには、一部のモニタリングができなくなることも考えられますが、その際においても可能な範囲での情報提供をお願いすることになります。
環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/koubo_4/faq.pdf
申込時にインターネット環境は必要か?
特に絶対条件としているわけではありませんが、公募に関する最大の広報メディアとして環境省のホームページによる情報公開を行っていることから、使用できる環境に皆さんがあるという前提で手続きを考えています。多くの連絡については、メールによる通知等を使用することも考えていますが、申込や申請書類については紙媒体で郵送して頂く従来の方法に変わりはありません。
環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/koubo_4/faq.pdf
公募は今年度1回限りなのか?
環境省が行う環の匠住宅整備事業については、平成17年度限りの事業です。公募については、6月30日までに予定件数に満たなかった場合には7月以降に2次公募を行う予定です。
環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/koubo_4/faq.pdf
交付決定日以降でないと建築工事を開始できないのか?
住宅建築の工事にはいろいろな段階がありますが、この補助事業で導入いただく3点の対象設備の工事については交付決定日以降にお願いします。この事業でいう未着手の条件は、敷地の整地や古屋の解体工事ではありません。従って、公募要領に書いている工事請負契約の締結日とは、対象設備の導入について仕様決定を行った契約日ということです。設備が既に導入された建売住宅を購入される場合は、売買契約日ということになります。
環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/koubo_4/faq.pdf
クールビズとはどんな取組なのですか?
「クールビズ」とは、地球温暖化防止活動の一環として、過度な冷房に頼ることなく、様々な工夫をして夏を快適に過ごすための取組です。 例 ◆室温28℃の設定 ◆執務中の軽装の呼びかけ  等 例年は6月1日~9月30日までをクールビズ期間としていましたが、2011年は、東日本大震災を受けた節電の必要性を踏ま、5月1日~10月31日をクールビズ期間としています。 また、各主体のクールビズを通じた節電及び温暖化防止の取組が促進されるよう、本格実施の6月からは「スーパークールビズ」と称して取組を呼びかけています。
環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/archives/2011/faq.html
なぜ室温28℃なのですか?
◆建築基準法 ◆建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 ◆労働安全衛生法事務衛生基準規則 の各法律において、17度以上28度以下の範囲が望ましいとされています。 本事務局では、クールビズを開始する際に上記法律等を参考とし「冷房時の室温を28℃」にと呼びかけています。
環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/archives/2011/faq.html
クールビズに参加すると必ず室温28℃にしないといけないのですか?
「28℃」を目安としていただき、外気温、建物の状況、また、熱中症等を引き起こさないよう実際に取り組まれる方の体調も考慮しながら、 無理のない範囲で冷やしすぎない温度設定の実践を呼びかけています。
環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/archives/2011/faq.html
クールビズに参加するとどんな特典がありますか?
クールビズ賛同団体として参加いただくと、 ◆ロゴマーク  データ ◆ツールポスター画像 等  データ をダウンロードすることができ、自社のクールビズ実施アピールや、お客様へのご協力呼びかけ等にご活用いただけます。
環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/archives/2011/faq.html
クールビズへの参加の際はFun to Shareキャンペーンへの参加が必要ですか?
「クールビズ」は地球温暖化防止活動の一環であるため、「Fun to Shareキャンペーン」への参加を推奨していますが、 必須条件ではありません。
環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/archives/2011/faq.html